Twitterは誰でも簡単にアカウントを開設することができ、自分の好きなことを呟くことができるツールとして数多くの日本人が使用していますが、その投稿の自由度の高さから様々な問題が生じてしまうのも事実です。また、Twitterにはリツイート機能が備わっているため、誹謗中傷された投稿が第三者の手によって多くのユーザーに拡散されてしまう事態も発生しています。
多くのユーザーの目に触れる機会があるTwitterで誹謗中傷を受けてしまった場合、相手のことを訴えたい気持ちで一杯になるかと思います。特に投稿された内容が事実とは異なっている場合などであれば、尚更ですよね。
そのような方の為に、この記事ではTwitterの誹謗中傷を訴える方法やツイートの削除方法などについてまとめましたので、是非参考にして下さい。
Twitterの誹謗中傷を訴えることは可能なのか?
ある程度の投稿の自由が認められているTwitterで誹謗中傷による損害賠償を請求することは可能なのか気になるところだと思います。結論から言うとTwitterの誹謗中傷で相手に対して損賠賠償などで訴えることは可能になります。実際に以下のようにTwitterの誹謗中傷を訴え270万円の損害賠償を請求することに成功した事例も存在しています。
#ネット中傷
「ツイッターでの中傷投稿への法的対応事例」
※名誉毀損で損害賠償約270万円(内 慰謝料200万円)が認められました。この判決が、ネット中傷をする人達への牽制になることを期待しています。
※匿名であっても、本人特定されてこうなります。https://t.co/dzzycJoJNr— 片瀬久美子🍀 (@kumikokatase) July 25, 2019
上記の方はTwitter誹謗中傷を受けた際に裁判を起こし、約270万円の損害賠償を請求することに成功しています。誹謗中傷した相手が匿名であったり、次々にアカウントを乗り換えた場合でも簡単に逃げきることはできないので、投稿者を特定することができる可能性は十分にあります。
Twitter誹謗中傷投稿の削除方法
Twitterの誹謗中傷を訴える前に、投稿されているツイッターの削除申請をしておきましょう。Twitterにはリツイート機能が備わっているため、誹謗中傷投稿をそのままの状態にしておくとネット上で拡散されてしまう恐れがあります。Twitterに投稿されたツイートを削除する方法としては以下の2つの方法が挙げられます。
削除方法
- ツイートの投稿者に削除を依頼する
- Twitter社に違反報告をする
ツイートの投稿者に削除を依頼する
Twitterに投稿されている誹謗中傷ツイートを一番早く削除する方法はツイートの投稿者に削除を依頼することです。削除を依頼する場合、ツイートされている投稿に対して返信を送る方法と投稿者に対して直接DM(ダイレクトメール)を送る方法があります。どちらも簡単なので必ず両方の方法で投稿者に対して削除の依頼をしましょう。
投稿に対して返信をすることで誹謗中傷の内容に対しての自分の意見をしっかりと周囲のユーザーにも伝えることができます。ただし、他のユーザーの返信で埋もれてしまい、投稿者が返信の内容を見ることが出来ない場合も想定することができます。
そのため、DM(ダイレクトメール)も同時に送り、相手がメールボックスでしっかりと削除依頼のメールを確認することができる状態にもしておきましょう。
Twitter社に違反報告をする
投稿者に対してツイート削除の依頼をした後はTwitter社に違反報告をします。Twitter社に違反報告をすることでツイートが削除される場合もあるので、こちらの対策も必ず実行しておきましょう。Twitter社に対して違反報告をする際はこちらのフォームからヘルプセンターにアクセスする必要があります。フォームにアクセス後、以下の手順に沿って記入していきましょう。
手順①
【何についての報告ですか?】は実際に誹謗中傷を受けてご自身が被害に遭っている項目を選択しましょう。【誰が迷惑行為を受けていますか?】は誹謗中傷を受けている本人が申告する場合は「報告者本人」を選択しましょう。
手順②
次に実際に誹謗中傷をしているツイートのURLをコピーし、証拠として貼り付けましょう。
ツイートのURLは以下の画像のように、パソコン画面の左上のURLに記載されているものになります。
手順③
ここでは問題の詳細を記入していきます。投稿されているツイートがどのような点で問題になっているのか、しっかりと詳細を記入していきましょう。犯されている権利や、投稿によって受けている被害などの詳細を記入することでツイートが削除される可能性が高まります。
手順④
最後に報告者自身のメールアドレス、Twitterのユーザー名を入力し、フルネームを署名して完了になります。
誹謗中傷した投稿者を訴える前に上記手順を必ず踏んでおきましょう。実際に裁判で争うとなると費用や時間がかかってきてしまうので、上記のようなすぐに対策できる方法を実践することが大切になってきます。
誹謗中傷ツイート投稿者を訴える方法
上記手順を完了させた後はツイートの投稿者を訴える手順に入っていきます。ツイートしている人物の情報が判明している場合はそのまま裁判で訴えることが可能ですが、判明していない場合は投稿者を特定する必要があります。
投稿者を特定するためには「発信者情報開示請求」を利用する必要があります。発信者情報開示請求とは情報を投稿した人物の住所や氏名、電話番号などの情報開示を求める請求になります。発信者情報開示請求の手順を以下にまとめましたので是非、参考にして下さい。
手順①
削除したいツイートを選択したら、Twitterの運営に対してIPアドレスの開示を依頼します。IPアドレスとはネット上の個人に割り振られた住所のようなものになります。
手順②
IPアドレスを特定した後は相手が使用しているプロバイダの情報を調べていきます。プロバイダとはフレッツ光のような回線をインターネットに繋げる業者のことを指します。
引用:https://flets.com/first/provider/
インターネットを利用する人は必ずインターネットプロバイダと契約しています。契約する際、インターネットプロバイダーに対して住所や氏名、電話番号などの個人情報を提供しているため、プロバイダに情報開示を依頼することで個人情報開示請求を行うことができます。
手順③
相手が使用しているプロバイダを特定することができた場合はプロバイダに対して個人情報開示請求を行います。ここでプロバイダが相手に対して「発信者情報開示請求の可否について」と題された書類を送り、相手からの許可が降りると個人情報が開示されます。
以上が発信者情報開示請求を使用して個人情報公開を請求する流れになります。相手が個人情報開示を拒否した場合でも根気強くプロバイダに対して開示請求を行うことで、情報公開してくれる場合もあるので諦めないことが大切です。
また、発信者情報開示請求を行うためには法律に関する知識などが必要になってくるので、弁護士に依頼をすることが一般的になっています。その際は弁護士に依頼をする際はネットの問題解決に強い弁護士に依頼をすることをオススメします。ネットの問題解決に強い弁護士であれば豊富な事例を抱えているため、問題解決をすることできる可能性が高くなります。
弁護士に発信者情報開示請求を依頼する場合は着手金で20~30万円程度、成果報酬で15~20万円程度になります。
ネット誹謗中傷の慰謝料の相場
誹謗中傷をしている相手を特定することができた場合は「名誉毀損罪、侮辱罪、脅迫罪、プライバシーの侵害、業務妨害罪」などで訴えることができます。Twitterなどのネット誹謗中傷の場合慰謝料の相場は以下のようになっているので是非、参考にして下さい。
ポイント
一般人への名誉毀損:10万円~50万円
事業者への名誉毀損:50万円~100万円
有名人への名誉毀損:400万円以上の高額料金の場合もあり
相手の誹謗中傷によって、受ける被害が大きい場合は高額な慰謝料を請求することができるので、どの程度の料金を最大で請求することができるかといった点は弁護士などと一緒に相談すると良いでしょう。
また、発信者情報開示請求を利用し、上記のような金額を投稿者に対して請求することは可能ですが損害賠償を請求するためには最低でも半年、長い場合だと1年近くかかってしまう場合がほとんどです。
そのため発信者情報開示請求を利用する際はかなりの根気が必要になってくるということを覚えておきましょう。
Twitterの誹謗中傷を訴える方法まとめ
この記事ではTwitterの誹謗中傷を訴える方法についてまとめました。Twitterは匿名性が高いSNSになるので個人を特定して損害賠償を請求することが難しいように感じられるかもしれません。しかし、例にも挙げた通り、実際にTwitterの誹謗中傷を訴え270万円の損害賠償請求が通った事例も存在しています。
そのため、投稿者の特定が難しそうな場合でも諦めずに根気強く続けることが大切です。Twitterで誹謗中傷投稿を発見した場合はまず、以下の手順でツイートの投稿自体の削除を試みることから始めましょう。投稿をいち早く削除することが出来ればリツイートによって拡散されることを防ぐことが出来ます。
Twitter投稿削除手順
- ツイートの投稿者に削除を依頼する返信とDMを送る
- Twitter社に違反報告をする
上記手順を完了させた後、投稿者を特定し、損害賠償を請求する際は「発信者情報開示請求」を利用して個人情報を特定していく必要があります。発信者情報開示請求を利用する場合は弁護士に依頼する必要があり、費用としては着手金で20~30万円程度、成果報酬で15~20万円程度が必要となる場合があるので、資金に余裕がある場合は弁護士に依頼することをオススメします。