SNSで頻繁に行われている誹謗中傷。毎日数えきれないほどの誹謗中傷が投稿されており、多くの人が誹謗中傷の被害に遭っています。SNSによる誹謗中傷被害が増加しているため、最近はニュースにも取り上げられるようになりました。
このようにインターネット上の誹謗中傷は、問題視されつつありますが「実際にSNSではどのような誹謗中傷が起こっているのだろうか?」という疑問を抱えている人も多いかと思います。そのような方のために、この記事では実際にSNSで発生した誹謗中傷の事例を具体的にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
SNSが絡んだトラブルや事件集!過去の事例を参考にして未然にトラブルを防ごう!
実際にSNSで起こった誹謗中傷の事例集
ここでは、実際にSNSで起こった誹謗中傷の事例について紹介していきます。
1つの事件をきっかけに誹謗中傷されてしまった木村花さんの事例
ここでは、テラスハウスに出演していた木村花さんの事例を紹介していきます。
SNSで起こった誹謗中傷の事例
テラスハウスという番組に出演していた木村花さん。2020年3月31日に放送された「コスチューム事件」をきっかけにSNSで誹謗中傷されてしまいます。コスチューム事件では、「テラスハウスを卒業しろ!」「かまってちゃんかよ!」などというような誹謗中傷が木村花さんに寄せられます。
コスチューム事件の後に放送されたテラスハウスの未公開シーンでは、「不愉快だった」「二度とテレビに出るな」などというような誹謗中傷が寄せられるようになってしまいました。
その後、新型コロナウイルスの関係でテラスハウスが一時中止になったのですが、木村花さんのTwitterやInstagramには「お前が早くいなくなればみんな幸せなのに」「お前のキモさはネットに永遠に残る」などというような誹謗中傷のメッセージが途絶えることなく送られてきます。
このような誹謗中傷に耐え切れなくなった木村花さんは、後日自らの命を絶ってしまいます。
この事件についてもっと詳しく知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。
木村花さんのTwitterに寄せられた誹謗中傷の内容とは?対処方法も徹底解説!
この誹謗中傷の事例をきっかけに「インターネット上の誹謗中傷」が問題視されるようになりました。
家族や友人にも誹謗中傷の被害が及んだ伊藤詩織さんの事例
ここでは、SNSで誹謗中傷されたジャーナリストの伊藤詩織さんの事例を紹介していきます。
SNSで起こった誹謗中傷の事例
ジャーナリストとして活動している伊藤詩織さん。2017年の5月に行われた記者会見をきっかけに、SNSやインターネット掲示板などで伊藤詩織を誹謗中傷する投稿やイラストが出回るようになりました。
具体的には「死ね」「首を絞めてやりたい」などというような脅迫めいた誹謗中傷をされたと言われています。また、誹謗中傷は伊藤詩織さん本人のみならず家族や友人にも被害が及びました。
今回の誹謗中傷に対して伊藤詩織さんは「誹謗中傷について裁判の舞台にいくことが精神的にも難しかった。提訴まで3年かかってしまった」というコメントを残しています。
SNSやニュースコメント、動画サイトやネット掲示板などから伊藤詩織さんに関する書き込みを集計したところ、全部で70万件あったと言われています。その中で、名誉毀損に当てはまる可能性がある書き込みは約3万件にのぼります。
また、SNSだけでも9,000件以上の誹謗中傷が書き込まれていました。今回の騒動を受け、伊藤詩織さんは会見で「見なければいいではないかという風にも言われるが、オンライン、インターネットは欠かせないツールになっている。
見なくても見たくなくても目に入ってきてしまう。それが日常的に3年続き、精神的にはどんどん負担になっていた。一方で、裁判の準備も苦しかった。見返したくなかった言葉をまた見ることになり、気にしないと思っていても、言葉が胸に刻まれていった」と述べていました。
10年間、誹謗中傷され続けてきた春名風花さんの事例
ここでは、SNSで誹謗中傷された女優の春名風花の事例を紹介していきます。
SNSで起こった誹謗中傷の事例
「はるかぜちゃん」の愛称で知られている女優の春名風花さん。春名風花さんは、9歳の頃から10年間、SNSやネット掲示板などで誹謗中傷され続けてきました。2011年に春名風花さんは、東京都の青少年育成条例に対してSNSである発言をします。
その発言は、子どもとは思えない鋭い発言だったので話題を呼び、フォロワーが増加しましたが、それと同時に誹謗中傷のメッセージも増えていきました。具体的には「殺す」「ナイフで滅多刺しにしてドラム缶にセメント詰めて殺したい」というような誹謗中傷が送られてきたと言います。
その後も誹謗中傷は止まず、「彼女の両親自体が失敗作」と身内を侮辱するような投稿もされ続けたと言われています。
誹謗中傷に耐えられなくなった春名風花さんは、誹謗中傷してくる犯人を特定するために2018年の10月にプロバイダに対して発信者に情報開示を求める控訴を起こします。その控訴を起こしたことで、1年後、東京地裁はプロバイダに対して発信者の氏名や住所などの開示を命じました。
体罰問題と自殺事件をきっかけに発生した誹謗中傷の事例
ここでは、SNSで誹謗中傷された学校の生徒の事例を紹介していきます。
SNSで起こった誹謗中傷の事例
体罰問題と生徒の自殺で大変話題になった大阪のとある私立高校。事件が発生した私立高校は、連日マスコミに取り上げられたため、在校生には批判の目が向けられるようになりました。
批判の目が向けられるようになった在校生は、自転車をパンクさせられたりSNSやネット掲示板で批判や誹謗中傷をされたりと、様々な被害を負います。調査によると、SNSやインターネット掲示板には「プライバシー侵害」に該当する書き込みを初め、「名誉毀損」に当てはまる投稿もされていたと言われています。
この事件が起きたことで、大阪市の教育方針や入試の中止などに対する様々な意見が飛び交いました。
無関係の人が事件の加害者として誹謗中傷を受けた事例
ここではデマ情報により、とある事件の共犯者と間違われ、誹謗中傷をうけた人の事例を紹介していきます。
SNSで起こった誹謗中傷の事例
2019年8月に茨城県の常磐自動車道であおり運転を行い、さらに車から降車後、暴行を加えるという事件が発生しました。
この事件が報じられてから一週間後、あおり運転を行っていた加害者の助手席に乗り、暴行の様子などを携帯で撮影していたとして1人の女性がSNSで拡散されました。しかし、この時拡散された女性は事件で助手席に座っていた女性とは別人物。情報は根拠のないデマでした。
このデマ情報を元市議会議員の人が用して投稿したため、更に多くの人に拡散されてしまいました。これにより事件と無関係の女性はいわれのない誹謗中傷を受けました。
この女性は情報を拡散した元市議会委員に110万円の損害賠償を求めて訴訟を起こし、東京地裁は33万円の支払いを命じる結果となりました。
誹謗中傷の事例から学べること
ここまでに過去のSNSでの誹謗中傷に関する事例をいくつかご紹介してきました。
これらの事例から学べることはなんでしょうか。ここでは過去の事例から学べることをまとめました。
誹謗中傷は人の人生を変える可能性がある
これらの事例のように誹謗中傷は人の人生を変えかねません。SNSの拡散能力はそれぐらいの力を持っています。
自分の何気ない発言やちょっと腹を立てて投稿してしまった内容が相手の人生を変えてしまうかもしれないということを理解している必要があります。
自分が加害者にならないためにも、よく考えてから投稿するようにしましょう。
SNSの情報は何でも信じていいわけではない
今回の事例をみていて、SNSの情報を見る側としてもリテラシーが必要であることがわかったのではないでしょうか。
前提としてSNSでの情報は全てを鵜呑みにしていいわけではありません。最後に紹介した事例のようにデマが拡散されてしまうケースもあります。
仮に事実であったとしても、SNAの投稿は誰かの個人的な意見に過ぎません。SNSを見る際、あまり影響されすぎるよりは、こういう意見の人もいるんだなと思うぐらいが適切なのではないでしょうか。
誹謗中傷にあってしまったら誰かに相談しよう
1つ目の事例で紹介したように、誹謗中傷を理由に命を落とすという事例は珍しいものではありません。SNSが生活に密接している現代だからこそ、誹謗中傷はちょっとしたきっかけで誰にでも起こりうることです。
もし、自分が誹謗中傷を受けてしまったら、動揺したり恐怖を感じると思いますが、解決できる方法はあります。1人で抱え込むのではなく誰かに相談して、自分に合った解決方法を検討しましょう。
解決方法に関してはこの後ご紹介します。
誹謗中傷された場合の対処方法
これまで、実際にSNSで発生した誹謗中傷の事例を紹介してきましたが、「自分も同じような被害に遭ってしまった場合、どのようにすれば良いのだろう」という不安を抱えている人も多いかと思います。そのような方のために、ここではSNSで誹謗中傷された場合の対処方法について具体的に説明していきます。
証拠を集める
SNSで誹謗中傷された場合は、まず「証拠」を集めましょう。証拠がなければ、伊藤詩織さんのように提訴することも出来ませんし、春名風花さんのように犯人を特定するための行動を起こすことも出来ません。スクリーンショットやカメラでの撮影など、簡単な方法で構わないので、必ず「誹謗中傷されたことが分かる証拠」を保存しておきましょう。
公的機関や専門家に相談する
証拠を保存した場合、次は公的機関や専門家に相談しましょう。具体的には、以下のような場所に相談してみてください。
相談先
- 弁護士
- 警察
- 法務局
弁護士は、誹謗中傷の投稿を完全に削除してくれます。SNSで誹謗中傷された場合、投稿者が削除しない限り、一生誹謗中傷の投稿が残り続けてしまいます。自分で削除依頼を出しても対処しきれないという場合は、一度弁護士に相談してみましょう。
また、弁護士や警察に相談する前にとりあえず話を聞いてほしい、一緒にどう対処するかを考えてほしいという場合は無料相談窓口に問い合わせるというのも方法の1つです。
こちらについても以下の記事で詳しく説明していますので参考にしてみてください。
SNSでの誹謗中傷はまずは誰かに相談を!一人で悩まず無料相談窓口を活用しよう
誹謗中傷の消去依頼をする
訴訟などは起こさずに投稿を消してほしいという場合は投稿内容の削除を依頼しましょう。
方法としてはSNSの媒体に削除依頼をするか、投稿者に直接削除依頼をする方法があります。これらの方法についてはどちらも詳しく解説した記事があるのでこちらを読んでみてください。
SNSに投稿された誹謗中傷を削除するには?削除方法や通報方法を徹底解説!
3つの例文あり!誹謗中傷記事への削除依頼文を書く時は4つのポイントを意識しよう
実際にSNSで起こった誹謗中傷の事例まとめ
この記事では、実際にSNSで起こった誹謗中傷の事例をまとめました。もう一度おさらいすると、実際にSNSで起こった誹謗中傷の事例は以下のようなものがあります。
実際にSNSで起こった誹謗中傷の事例まとめ
- 1つの事件をきっかけに誹謗中傷されてしまった木村花さんの事例
- 家族や友人にも誹謗中傷の被害が及んだ伊藤詩織さんの事例
- 10年間、誹謗中傷され続けてきた春名風花さんの事例
- 体罰問題と自殺事件をきっかけに発生した誹謗中傷の事例
- 無関係の人が事件の加害者として誹謗中傷を受けた事例
現在は、誰でも簡単にSNSで発言することができるようになったため、誹謗中傷の被害は増加しています。有名人に限らず一般人も誹謗中傷される場合があるので、もしも誹謗中傷の被害に遭ってしまった場合は、すぐに弁護士や警察に相談してみましょう。
また、加害者にならないためにもSNSの情報との関わり方や発信する内容には十分注意をしましょう。