ネット上に書かれる誹謗中傷の数々。なかなか消えないがために「デジタルタトゥー」と呼ばれています。
デジタルタトゥーは「一つぐらいいいか」と放置しておくと、多くのリスクを抱えることになります。
どういったリスクがあるのでしょうか。ここではデジタルタトゥーをもっと深堀しながら、考えられるリスクや効果的な消し方について紹介します。
デジタルタトゥーによる悪影響
デジタルタトゥーは今後の生活や社会的影響を大きく悪化させる一因です。具体的にどのようなケースが起こったのかお話します。
①就職先が決まりにくくなる
近年では面接や書類チェックの際に応募者の名前で検索をするエゴサーチを行なう企業が増えています。その際にデジタルタトゥーとして残っている誹謗中傷された内容やネットでの評判を発見されてしまい、不採用に繋がるのも珍しいことではありません。
②結婚が破綻してしまう恐れがある
結婚をする際に相手のご両親が身辺を調べることがあります。その際にネット上でデジタルタトゥーを発見してしまい、結婚を反対されるというのも決して珍しいことではありません。大事な子供を悪い噂が付きまとう人と一緒になってほしくない、と考えるのが親心です。
③家族や友人にも飛び火になる可能性が高い
デジタルタトゥーの影響によってご自身以外にも迷惑がかかるケースがあります。それは家族や友人、親戚等にもバッシング被害が拡大するのです。とくにSNSやYouTube動画等で炎上を起こした場合は、個人情報や自宅の特定までも行なわれたケースが過去にあります。
住所や電話番号が知られた場合、いたずら電話やバッシングなどが起き、家族全員が疲弊してしまい引っ越しを検討しなければいけないところまで発展してしまいます。
デジタルタトゥーの事例をご紹介
では、デジタルタトゥーによって実際にどのような事件が起こったのか紹介します。
①SNSで問題投稿したアルバイトが特定される
SNSが普及したことにより不適切な発言や投稿で炎上するケースが増えています。あまりにも多くの炎上ケースが増えたことから、バカッター(Twitter上の問題投稿)、バカスタグラム(Instagramでの問題投稿)と呼ばれるようになりました。
特に注目を集めたのがアルバイトによる“バイトテロ”と呼ばれる行為です。
和食ファミレスチェーンの「大戸屋」は、マスクをかぶりズボンを脱いだ状態でふざけている動画を投稿されて大炎上しました。
「くら寿司」は学生アルバイトが、一度ゴミ箱に捨てた魚を拾って調理するような動画を投稿して大炎上しています。「くら寿司」側は炎上を起こしたアルバイトを民事・刑事訴訟を行なうことまで明言しました。
また世間の目はより厳しく、SNSを投稿した個人を特定する動きをみせました。その結果、住所や氏名の特定までされ、今でもネット上にデジタルタトゥーとして残ってしまっています。
②リベンジポルノによる画像流出
元交際相手によって生まれやすいのがリベンジポルノによる被害です。ネット上で裸の画像をさらされることによる精神的苦痛は計り知れません。
SNS上で公開されるだけではなく、2ちゃんねるやまとめサイトなどに投稿されてしまうと拡散力はより増大します。そうなってしまうと、拡散を止めることも画像をネット上からなくすこともほぼ不可能です。
画像や動画は保存されやすく、また別の場所でいつ投稿されてもおかしくない状態になります。
③冤罪にも関わらず報道されて拡散する
一番身近で起きやすい冤罪のひとつとして「痴漢」があります。本当は冤罪であるにもかかわらず、一度実名で報道されてしまうとネット上には記録が残ってしまいます。
後日冤罪だったとしても、その情報は逮捕時の実名報道ほど大々的になされずに、多くの方に誤解を与えたままになってしまいます。そのため、誤情報だけがデジタルタトゥーとして残ってしまいます。
デジタルタトゥーを防ぐにはどうすべきか?
デジタルタトゥーが残ってしまうと一生悩まされるケースも少なくありません。大切なのは未然に防ぐことです。
では、どのようにすれば防ぐことができるのか、ご紹介します。
①SNSアカウントは見える人を限定化する
SNSアカウントは世界中の知らない人とも繋がれるのが魅力のひとつです。しかし、それ故にトラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。
アカウントを非公開にすることで信用できる人だけが閲覧できるようになり、炎上するリスクがグッと低くなります。
仮に不適切な発言をしてしまっても、友人であれば拡散するようなことはしないはずです。まったく関係ない第三者の場合はSNSで拡散することに躊躇いがないのです。
リツイートやハッシュタグ検索を引き金に更なる拡大の恐れがあることからも非公開の方が安全です。
②本名を使ってアカウントを作成しない
ツイッターやインスタグラムで実名をそのまま使用している方がいますが、大きなリスクを抱えていると言わざるおえません。万が一炎上させてしまった場合、実名がまたたく間に拡散し個人情報や画像が世の中に出回ってしまいます。
自分が問題ないと思っている投稿でも、第三者から見ると不愉快なものである場合もあります。いつ何が火種になるかわからないので、細心の注意を払うように心がけてください。
気軽に発信したい方や最新の注意を払うことに自信のない方は本名は出さないほうがいいでしょう。
③位置情報サービスを許可して投稿しない
SNSに投稿をアップする際に深く考えずに位置情報サービスを許可してしまう人が多くいます。
その投稿からどこにいるのか、どこに住んでいるのかなど筒抜けになってしまいます。
これは個人情報を垂れ流しているのと大差ありません。
なるべく位置情報サービスはオフにしておくことをおすすめします。
デジタルタトゥーの消し方3選
デジタルタトゥーはなかなか消せないものですが、削除できないわけではありません。デジタルタトゥーの消し方を3つに絞って紹介します。
①弁護士に依頼することで消してもらう
弁護士はデジタルタトゥーの削除要請をあなたの代わり行なってくれます。サイト運営者に連絡を取ったり、ドメイン登録者を特定したりと、アプローチの仕方は様々です。
しかし、弁護士によっては削除申請に時間がかかる場合もありますので急ぎの場合は先にどれぐらいで対応してもらえるの聞いておきましょう。
裁判所への仮処分申し立ても可能
弁護士は最終手段として裁判所へ仮処分の申し立てをすることが可能です。仮処分命令はサイト管理者に対して強制的に記事を削除させることができます。ただし、条件があるので、準備は念入りに行なう必要があります。
まず、被保全権利(侵害を受けている権利)と保全の必要性(侵害を受けていること)を証明しなければなりません。さらに担保金を払う必要もあるのです。ただ、仮処分命令が発令されると、高確率で書き込みをした本人が削除に応じてくれます。
②誹謗中傷や風評被害対策を行っている企業に依頼する
デジタルタトゥーを完全に消すことができる依頼先は弁護士だけです。しかし、デジタルタトゥーを目立たなくさせる企業は複数あります。誹謗中傷や風評被害を専門に行なっている企業に依頼することで、デジタルタトゥーに該当する記事の検索順位を下げることができるのです。
個人に対しても効果はありますが法人の場合、商品やサービスをPRした記事を上位に表示させることもできるのでおすすめです。直接売上アップや認知度アップを図れるといったこともあります。
③個人で削除依頼を地道に行なう
弁護士に任せたい削除依頼ですが、金銭面に余裕がない場合は自らで実行するのもひとつの手です。ただ、サイト管理者や運営会社に対して地道に削除依頼するのは非常に大変です。
メリットは一切お金がかからないので、デジタルタトゥーの消し方としては一番コストを抑えられます。
誹謗中傷対策はプロに任せるのがベスト
デジタルタトゥーは時間が経過すればするほど被害が拡大する恐れがあります。一度広まってしまうと時間が経つにつれて、引き下げるのも削除するのも困難になってきます。
いくつかデジタルタトゥーに関する対策をご紹介してきましたが、コストを抑えるなら自分で対応し、少しでも早く対応をするのならプロに任せてしまうことです。
ここでいうプロとは「誹謗中傷・風評被害の専門会社」や「記事削除する弁護士」になります。記事を削除だけでいいのなら弁護士にお願いするといいですし、記事の削除だけでは対応できないトータルで依頼をするのなら専門会社がおすすめです。
自社の状況にあった最適な方法を選択するようにしましょう。