「転職会議」は、株式会社リブセンスが運営する企業の口コミや評判が投稿・閲覧できるサイトです。2020年の段階で掲載されている企業は462万社以上、投稿された口コミは330万件以上であり、この数字からも就職や転職に関して非常に大きな影響力を持つサイトであることが分かります。
転職会議が就職・転職を考える人たちにとって有益な情報が得られるサイトである一方で、悪質な口コミの投稿やページの炎上によって、企業側の採用活動に悪影響が出たり、事業で損害が生まれることがあるのも事実です。
今回は、転職会議について口コミが及ぼす影響や、転職会議の口コミの削除基準、削除依頼方法などについて詳しく解説します。
本記事で分かること
- 転職会議についた口コミはどのような影響をもたらすのか?
- 転職会議についた悪質な口コミは削除してもらえるのか?
- 転職会議に対する口コミの削除依頼方法
- 転職会議の口コミが削除してもらえない場合の対処法
- 転職会議に投稿された悪質な口コミと合わせて注意すべきこと
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転職会議に掲載された口コミが及ぼす影響
転職会議に掲載された口コミは、就職・転職を考えている人、採用活動を行う企業、それぞれにとってどのような影響力を持っているのでしょうか。
転職会議は会社を見極められる就活お役立ちサイト
転職会議などの企業の口コミが閲覧できる就職・転職情報サイトは、もはや就職・転職を検討する人たちにとってなくてはならないサイトであると言えます。数年前に「ブラック企業」という言葉が注目されたことにより労働者に対する極端な長時間労働やノルマの強要、賃金未払い、パワハラの横行などが浮き彫りになり、大きな社会問題として認識されるようになりました。
以前は、労働者が入社前の企業がブラックな体質を持っているかどうかを見抜くことは困難でした。ところが転職会議をはじめとした就職・転職情報サイトが現れたことにより、現在では入社しようとしている会社の実態について入社前、応募前に手軽に調べられるようになりました。
転職会議で知ることができるのは主に以下の内容です。
- 企業についての口コミ(年収・評価、やりがい、スキルアップ、福利厚生・制度、成長・将来性、社員・管理職、ワークライフ、女性の働きやすさ、入社後のギャップ、退職理由、社長の魅力、面接・選考等)
- 求人情報検索
- 年収情報
上記の情報があることで、応募者が求人情報と実際とのギャップをすり合わせることができますし、採用面接時に確認しづらいような情報も把握することができるようになりました。転職会議のようなサイトがあることで、就職・転職を検討する人たちが自分にあった職場を確実に見つけやすくなったと言えるでしょう。
転職会議に掲載された口コミが及ぼす影響5つ
転職会議が就職・転職を考える人にとってメリットである一方で、転職会議に掲載されている口コミや年収情報の信ぴょう性については、自分自身で吟味する必要があるとも言えます。
口コミの中には企業や企業で働く個人に対する恨みや妬みなどが反映されていると思えるような投稿もあり、それらの悪質な投稿によってさまざまな悪影響が生じてしまいます。
影響①採用活動が困難になる
悪質な口コミによって企業の採用活動が困難になる問題が生まれているという事実です。
口コミ内容の真偽が不明であるとしても、ブラック企業と思えるような口コミが記載されているとしたら、これから入社をする人は不安に感じてしまいますよね。知らず知らずのうちに、良い人材を逃してしまっているかもしれません。
こういった事情により、企業から転職会議に対しての口コミ削除の相談は非常に多く寄せられており、その点からも企業がなんとか悪質な口コミに対処しようとしていることが伺えます。
影響②売り上げが低下する
転職会議を利用する求職者は、いち消費者でもあります。
転職会議に掲載されている悪質な口コミを見た求職者に「こんな働き方を社員に強いている企業の商品は使いたくない」といった印象を与えてしまう可能性もあり、企業のイメージダウンにもつながってしまうのです。
影響③取引先が減少する
転職会議を見ているのは求職者だけとは限りません。
こういった企業に対する口コミサイトは、企業の社風やシステムを外部の人間が知るのに打ってつけの場です。悪質な口コミを見たことによって取引を白紙に戻されるリスクも想定しておかなければなりません。
影響④従業員の離職率が上がる
「自分が働く企業は他の人からどう評価されているのだろうか?」という好奇心や興味から、企業名を検索する従業員も多いでしょう。
自身の知らないところで企業で悪い噂があるとネット上で知った際、現実とかけ離れた内容に「そんなことはないはずだ」と思いつつも、疑いの目を持ってしまうことも考えられます。自身の心の内だけに留めておけず、他の従業員へ相談する可能性も否めません。事実ではない悪質な書き込みが一人歩きし、従業員が続々と辞めてしまう最悪の状況もあり得るのです。
影響⑤株価が下がる
消費者や取引先にまで影響が及ぶと、上場企業の場合は株価への影響も懸念されます。
将来性を見込んで投資したにもかかわらず、消費者離れによる売り上げの低下が起こると、目減りする前に株を売ってしまいたいと思うのは当然のことです。また、株式上場は非常に厳しい審査をクリアしていなければならないため、たとえ根も葉もない悪質な噂だったとしても、事態を収束できず悪評が広がっているようでは上場廃止となるケースも考えられます。
転職会議で削除対応してもらえる口コミ
転職会議のルールでは、ガイドラインに違反する口コミのみ削除が可能となっています。転職会議の削除に関するガイドラインと、ガイドラインに該当しない場合の見解について見ていきましょう。
転職会議のガイドラインに違反する口コミは削除可能
転職会議に投稿された口コミは、削除対応してもらえる場合としてもらえない場合があります。転職会議では独自のガイドラインが規定されており、そのガイドラインに抵触する口コミについては順次削除対応がなされます。
転職会議の規定しているガイドラインは以下のような内容です。
転職会議ガイドライン概要
企業で働く個人についての投稿は内容により削除対象
- 企業の役員に関する投稿は原則は削除対象外だが、役員のプライベートに関する情報は削除対象
- 企業の一般社員に関する投稿は伏せ字等を含めて実名投稿をした場合は削除対象だが、個人の特定ができないと判断される役職名などでの投稿は削除対象外
誹謗中傷とみなされる投稿は削除対象
- 特定の個人に対しての「デブ」「ブサイク」のような、外見・容姿に関する悪意ある感情表現
- 特定の個人に対しての「バカ」「鬼畜」「クズ」のような内面的な能力に関する悪意ある感情表現
- 特定の企業に対しての「地獄」「人生の無駄」のような曖昧な定義で発せられた悪意ある感情表現
- 個人と企業に対する「あんな企業潰れてしまえ!」のような乱暴な言葉遣いによる悪意ある表現
その他
- 憶測・伝聞などの自分自身が体験していないことが明確に分かる投稿
- 「キャリアアップは不可能」「休日は皆無」のような極端で断定的な表現や批判
(上記2項目については控えることが推奨されているのみで、明確に削除対象とは記載されていません) - 過度な変換ミス、顔文字などの使用、意味不明な内容の投稿は削除対象
上記のガイドライン内容に触れる口コミは、ほとんどの場合削除してもらえると考えていいでしょう。
情報の公平さを担保するため批判的な内容でも削除不可
転職会議では、前項で解説したガイドラインへの抵触が見受けられない場合、原則として口コミは削除対応をしてもらえません。企業に対して批判的であり、企業の評判が下がるような口コミが投稿されたからといって企業の求めに応じて全ての批判的口コミが削除されてしまっては、情報の公平さが担保されず、就職・転職を考える人にとって有益なサイトであるとは言えなくなるからです。
万が一、投稿した本人から削除の依頼があったとしても、ガイドライン違反に当たらない場合は削除対応はしてもらえません。
転職会議についた口コミの削除依頼方法
転職会議についた悪質な口コミの削除依頼方法の手順としては、転職会議の問い合わせフォームから申請し、その後、個別で対応が進んでいく流れです。
問い合わせフォームで申請する内容や申請時に必要なもの、注意事項について解説します。
転職会議の口コミ削除依頼はお問い合わせフォームから
転職会議についた口コミの削除は、お問い合わせフォームから申請する必要があります。
名前、メールアドレスを入力後、フォームに該当する口コミが記載されているURLや文面を貼り付け、どんな点が転職会議のガイドラインに抵触するのかを記載して送信するといいでしょう。なお、お問い合わせフォームでは画像データなどの貼り付けはできません。証拠となる画像を添付したい場合はアップローダーなどにアップロードし、URLを貼り付けるようにしてください。
転職会議お問い合わせフォーム
https://info.jobtalk.jp/contact/new
※転職会議からは3営業日程度で返信があります。
※メールが届かない場合は迷惑メールフォルダに割り振られている可能性がありますので、「customer@support.jobtalk.jp」からのメールを受信できるようにしておいてください。
転職会議の口コミ削除依頼時の注意事項
口コミの削除依頼は、悪質な口コミにより被害を受けている企業、もしくはその企業から依頼を受けた弁護士のみが行うことができます。そのため、削除依頼の際のメールアドレスはフリーアドレスではなく、企業のドメインのアドレスから送ることをお勧めします。
被害を受けた企業や、その企業の依頼した弁護士以外からの問い合わせについては非弁行為とみなされ転職会議側の調査が行われる可能性があります。さらに、転職会議の企業ページに非弁行為が行われた旨が掲載される可能性があるとヘルプページに明記されているため注意が必要です。
転職会議の口コミを削除してもらえない場合の対処法
前述した通り、ガイドラインに抵触しない口コミは削除申請をしても対応してもらえません。そのため、転職会議の口コミを削除してもらえない場合には以下のような対処をしていく必要があります。いずれの場合も個人での対応は難しく、一般的には弁護士を通して対応を進めていきます。
弁護士を代理人に立てる際のかかる費用は、
- 着手金
- 報酬金
- 交通費や通信費等の実費
が必要です。また、初回の相談時に相談費用が発生するのが一般的ですが、契約に至った際は相談費用が返金となる、つまり相談費用が無料となる弁護士事務所もあります。
着手金は結果にかかわらず発生する費用で、納得いく結果に至らなかった場合でも返金されることはまずないでしょう。報酬金は結果に応じて発生します。顧問弁護士などをつけていない場合、後々トラブルにならないように、「どのタイミングで・どの程度の費用が発生するのか」をしっかり確認しておいてください。
対処法①内容証明による削除要請
対処法の1つ目は、内容証明郵便により株式会社リブセンスに対して該当口コミの削除要請を行う方法です。内容証明郵便を郵送する際に必要な費用は1,252円と手軽に申請しやすい一方で、実際に削除が実行される可能性はかなり低いと言えます。
本人が作成して郵送手続きをとることも可能ですが、弁護士へ依頼することもできます。この場合、弁護士費用は着手金として10万円前後が一般的です。
削除要請に応じてもらえたものの、ガイドライン違反が見受けられる投稿の一部分のみが削除対応されるケースもあり、この結果に至った場合は以降どんな手段を講じても全文削除をしてもらうのは難しくなってしまうため、削除要請をする前にしっかり検討する必要があるでしょう。
対処法②裁判所を通し送信防止措置仮処分により削除要請する
対処法の2つ目は、裁判所を通し送信防止措置仮処分の命令をリブセンスに対して下してもらう方法です。この方法であれば1ヶ月程度で必ず投稿が削除されます。
この場合には、相手方の弁護士も出廷して投稿についての削除の必要性や削除部分について検討を進めていくことになるため、該当する口コミが虚偽であることを立証する証拠が重要となります。
本人が訴訟することもできますが、弁護士に依頼するとなると着手金として30万円前後の弁護士費用が一般的です。
対処法③発信者情報開示請求により投稿者を特定して対処
対処法の3つ目は、発信者情報開示請求の手続きをとる方法です。投稿された口コミの内容によっては、投稿者を名誉毀損罪、侮辱罪、脅迫罪、信用毀損罪などの刑法上の責任追及措置を講じることが可能です。この場合には投稿した人物の特定が不可欠であり、そのためには転職会議とプロバイダに対して二段階の発信者情報開示請求を行うことになります。
発信者情報開示請求は、以下のような流れとなっています。
- 発信者情報開示請求が正当かどうか弁護士などへ相談・判断する
- リブセンスに対して口コミ投稿者のIPアドレス及びタイムスタンプの開示を請求する
- 投稿者が使用しているプロバイダを特定する
- 裁判所へ、投稿者が投稿した証拠の削除を禁止する命令をプロバイダへ請求してもらう
- プロバイダから投稿者の氏名と住所を開示してもらう
これでようやく投稿者の情報が開示されます。
一般的な弁護士費用は着手金60万円前後と高額になり、また、発信者情報開示に至るまでには最低でも3回の裁判が必要となるため、精神的な負担も想定しておかなければなりません。
さらに言えば、プロバイダが投稿の記録を保持する期間は長くても3ヶ月程度で、この期間を過ぎると自動で消去されてしまうのが一般的です。初動の速さが肝心だと言えるでしょう。
発信者情報開示請求については次の記事でも詳しく解説しています。
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悪質な口コミが続く場合には多角的なアプローチで対処を
転職会議についた口コミを一件削除できたとしても、同じ投稿者が類似サイトにも悪質な口コミを投稿している場合、いたちごっこのような対処になりかねません。転職会議などの就職・転職情報サイトへの悪質な口コミで採用に悪影響が出ている場合は、一つ一つの口コミへの対処だけではなくもっと多角的なアプローチで対処していくことが求められます。
転職会議等の悪質な投稿は検索エンジンへの対処も必要
転職会議についた悪質な口コミは、転職会議のサイトの中だけで目立つのではありません。Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンで「(企業名) 口コミ 社員」などと検索すると多くの検索結果が現れますが、検索上位のほとんどは転職会議やオープンワーク、カイシャの評判といった口コミサイトで占められています。
企業の口コミについて知りたい労働者の多くは、サイトの中の検索だけではなく検索エンジンでの検索も必ず行います。そのため、自社の口コミが検索エンジン上でどのように現れてくるのかを確認・把握し、悪質な口コミが上位を占める場合には対処する必要があると言えます。
早めに専門家へ相談することが重要
転職会議などの、悪質な口コミに一件ずつ対処する方法とは異なり、検索エンジンでの検索結果への対処やネット上の誹謗中傷に対する対処は、企業単体ではなく専門家への相談をお勧めします。
悪質な口コミやネガティブな投稿があるサイトを、YahooやGoogleの検索画面で上位にこないようにする対策を「逆SEO」と呼びます。
今回のケースの場合、「(企業名) 口コミ 社員」と検索した際、悪質な投稿をされてしまった「転職会議」よりも上位に健全な情報が掲載される対策するのが逆SEOの具体的な方法となります。
『削除しても、また投稿されてしまった』という状況から抜け出すことができ、投稿者やサイト管理者に対してアクションを取る必要もありません。投稿者へ知られることなく、対策を打てる方法でもあります。逆SEOは弊社のような誹謗中傷を専門とするWebマーケティング企業で対応しており、いくつもの手続きを踏まなければならない公的機関に比べてスムーズかつスピーディーに対策を打つことができます。
特に企業が困っている悪質な口コミへの対策は、様々なアプローチで同時に多角的に対処をすることで、短い時間で大きな成果を得られる傾向があります。弊社では、逆SEOの他にもさまざまな解決策をご提案しており、無料相談を随時受け付けております。企業の誹謗中傷対策について詳しく知りたい場合はお気軽にご連絡ください。
【まとめ】転職会議の悪質な口コミはガイドラインに沿って対処!
就職・転職をする人のための情報サイト転職会議についた悪質な口コミや削除などの対処方法について解説しました。いかがでしたでしょうか。簡単に本記事のポイントをまとめておきます。
まとめ・転職会議の悪質な口コミはガイドラインに沿って対処を!
- 転職会議は、就職・転職を考える人が企業を見極めるためになくてはならない情報サイトだが、悪質な口コミによって企業の採用活動に悪影響が及ぶ場合もある。
- 転職会議は投稿のガイドラインを独自に定めており、ガイドラインに抵触する投稿については削除対応をしてもらうことが可能。
- サイト全体の公平さを担保する観点から、転職会議についた企業に対しての批判的な意見は必ずしも削除してもらえるとは限らず、それもガイドラインに沿って対処される。
- 転職会議についた口コミの削除は、転職会議お問い合わせフォームから依頼する。
- 転職会議についた口コミを削除してもらえない場合、内容証明による削除要請、裁判所を通した送信防止措置仮処分による削除要請、法的責任を追及する場合には発信者情報開示請求という3つの対処法が考えられ、一般的には弁護士を通して行われる。
- 転職会議などのサイト一つ一つの口コミに対処するだけでなく、検索エンジンでの検索上位に悪質な口コミが現れていないか、誹謗中傷記事は掲載されていないかについても把握し、万が一被害がある場合には専門家への相談も必要。
転職会議についた口コミ削除依頼は、ガイドラインに則り適切な方法で対処しましょう。
誹謗中傷対策のプロである弊社では、転職会議での悪質な口コミに関するお悩みも無料でご相談いただけます。専門家に相談する場合は、数社から解決策を出してもらった方が断然有利です。ぜひご検討ください。