「ビジネスで成功するには、心理学に基づいたマーケティングが欠かせない!」ということを知っていますか?
マーケティングや広告は「センスが問われるクリエイティブな分野」だと思っている人もいるのではないでしょうか。しかし実は「人の心理に基づく科学的な知識が、マーケティングに生かされているか」によって大きく結果が異なるのです。
そこでこの記事では、マーケティングと心理学の関わりや、マーケティングに使える心理学についてまとめました。実際にどのように使われているのかといった具体例も合わせて紹介します。自社のマーケティングに生かしてみてくださいね。
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マーケティングと心理学は深く関わっている
人の行動にはさまざまな心理が影響しているため、マーケティングにも心理学が深く関わっています。
たとえば、モノを買うという行動においても、購買意欲を刺激する心理学が非常に役立ちます。心理学を駆使した仕掛けを効果的に使うことで、スムーズに消費者の行動を促せるのです。
心理学を活用したマーケティング具体例
マーケティングと心理学に深い関係性があることは、具体的な例を挙げて説明するとわかりやすいでしょう。そこで、いくつかの例を挙げてみます。
- 「全米が泣いた!」というキャッチコピーのある映画
- 「期間限定」と書かれた商品
- 「通常1万円の商品が、本日のみ8,000円!」といった価格表示
こういったキャッチコピーを見たことがある人は多いでしょう。キャッチコピーに購買意欲をかきたてられた経験は、誰しもあるのではないでしょうか。
成功している企業やブランドは、心理学に基づいたマーケティングをうまく利用していることが知られています。人に行動させることを目的としたマーケティングにおいて、心理学は成功のカギといえるでしょう。
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マーケティングに役立つ心理学9選
ここからはマーケティングに役立つ、具体的な心理効果について紹介します。
バンドワゴン効果
前述の「全米が泣いた!」というキャッチコピーは、バンドワゴン効果を狙った手法です。そのほか店頭のポップなどでよく見る「今売れてます!」「累計〇〇人突破」といった文言も、バンドワゴン効果を活用しています。
バンドワゴン効果
人気があるものにさらに人気が集まること
バンドワゴン効果は、生活のあらゆる場面で感じられます。たとえば、行列のできる店を見ると気になったり、SNSでフォロワーが多いユーザーがさらにフォロワー数を伸ばしたりすることも、バンドワゴン効果によるものなのです。
多くの人が行動したことをきっかけに、自分も安心して行動できたという経験がある人も多いでしょう。そんな消費者の安心感を利用するのが、バンドワゴン効果を利用したマーケティング手法です。
キャッチコピーのほかに、口コミにもバンドワゴン効果が多く見られます。高評価の口コミが集まった商品に、人気が集まりやすいのは人間の心理のようですね。
しかし、消費者の目を引くキャッチコピーを作ろうと、嘘や誇張した表現を使ってはいけません。またせっかく集客に成功しても、お客様に満足してもらえなければ、リピーターになってもらうことは難しいです。その後もリピートしてもらうための、努力を怠らないようにしましょう。
スノッブ効果
前述した「期間限定」という文言は、スノッブ効果を活用したものです。「先着〇名様」や「地域限定」といった限定感をアピールするのもスノッブ効果の例です。
スノッブ効果
めずらしいものほど手に入れたいと思うこと
バンドワゴン効果と真逆の心理を意味するスノッブ効果。「先着〇名様限定で販売」といった商品を購入するために行列ができたり、希少性の高いものが高額な価格で取引されたりする背景にも、このスノッブ効果が潜んでいます。
誰もが簡単に手に入れられるようになると、特別感がなくなり、需要が減少してしまいます。そのため、スノッブ効果を狙ったマーケティングを行う場合は、希少性をなくさないようにすることが大切です。
また限定している理由を消費者に伝えることもポイント。「1点1点手作りのため」「原料が非常に希少なため」など、限定の理由を伝えることで説得力が増します。そうなるとさらに、消費者の購買意欲をかきたてることにつながるでしょう。
スノッブ効果を長期的に活用するためには、販売する個数や時期、地域などを適切に限定することがカギとなるのです。
アンカリング効果
前述した「通常1万円の商品が、本日のみ8,000円!」という価格表示は、アンカリング効果を狙った手法です。店頭のポップやチラシ、通販サイトなどでも、メーカー小売希望価格とセール価格などが二重に掲載されている価格表示を目にしたことがあるでしょう。
アンカリング効果
最初に目にした価格などを基準に考えてしまうこと
多くの消費者は、少しでも安く商品を購入したいと考えています。そのような消費者に対し、アンカリング効果を利用した価格表示は、非常に影響力の大きいものといえるでしょう。
アンカリング効果を利用した価格表示をしているショップは、幅広い分野で見られます。実店舗・ネットショップなど多くのショップで使いやすいテクニックなので、ぜひうまく活用してみてください。
しかし、アンカリング効果の活用には注意すべきこともあります。価格を二重に表示することについては、景品表示法のガイドラインに従わなければなりません。
また「特別価格」を長期間表示していると、消費者に「その価格が普通だ」という印象を与えてしまうため、行動してもらえなくなる可能性もあるでしょう。
カリギュラ効果
「〇〇な人は使わないでください」「閲覧禁止!」といった広告を見たことがあるでしょう。また「雑誌の袋とじが気になって、購入してしまった!」という経験をもつ人も多いのではないでしょうか。
これにはカリギュラ効果が利用されています。
カリギュラ効果
禁止されると、逆にやりたくなってしまうこと
ターゲット以外の人に対し行動を禁止することで、ターゲットとなる人を強調できます。また、ターゲット以外の人の興味をかきたてる効果があります。
カリギュラ効果をうまく使うと消費者に「最終的に自分が決断して購入した」という思いを抱かせるので、「無理矢理買わされた」といった負の感情も少ないでしょう。
ただし、カリギュラ効果は使い方に注意が必要です。カリギュラ効果は、必ずしもプラスに働くものではありません。このことをしっかりと頭に入れておきましょう。
マーケティングに生かすなら、カリギュラ効果で特別感をアピールしつつ、最終的な判断は消費者に任せることが大切です。
ウィンザー効果
口コミで「使いやすい」「とても便利」などと書かれていたことをきっかけに、商品に興味をもったことはありませんか?これにはウィンザー効果が影響しています。
ウィンザー効果
第三者からの情報を信頼しやすいこと。「口コミ効果」とも言う。
商品を購入するときに、レビューや口コミを参考にする人は多いでしょう。人には、レビューや口コミのような、第三者の意見を信頼しやすいという心理があります。
広告で「自社の商品は使いやすいですよ」とかかれるよりも、第三者が「この商品は使いやすい!」と言うほうが、信ぴょう性が高いと感じてしまうのです。
それゆえ、企業の広告ページなどにも、レビューや口コミ、アンケート結果などが掲載されていることが多いのでしょう。
ウィンザー効果を狙ったマーケティングを行う場合、ネガティブな口コミにも寛容になる必要があります。もしネガティブな口コミを企業側が削除してしまうと、消費者から不信感を抱かれてしまう可能性があるからです。
またターゲット層に近い人の口コミを掲載したり、口コミをした人の性別や年代なども合わせて掲載したりするなど、消費者に自分事として認識してもらう工夫も必要です。
ザイオンス効果
話したことはないけれど、いつも行くコンビニの店員に親近感がわくことはありませんか?「テレビCMで何度も見た商品が気になる」という経験がある人もいるでしょう。
これらにはザイオンス効果という心理効果が関わっています。
ザイオンス効果
接触する回数が増えるほど、親近感がわくこと。「単純接触効果」とも言う。
ザイオンス効果は、マーケティングにおいて活用しやすいテクニックのひとつ。自社が売りたい商品に合う媒体で、その商品を繰り返し消費者に感じてもらうことが成功の秘訣です。媒体としては、テレビCMやWeb広告、メルマガなどさまざまなものがあります。
ザイオンス効果をうまく活用するためには、短期間に集中して商品と消費者を接触させることが大切です。また、もともと興味をもっている人に向けて、商品を接触させることも効果的でしょう。
消費者が商品について好き・嫌いといった感情をもつ前に接触回数を増やすことも、ザイオンス効果を活用するポイントです。もしすでに嫌われていたり不信感をもたれていたりする場合は、逆効果となるので気をつけましょう。
マッチングリスク意識
洋服を購入するときに「あまり着られなかったらどうしよう」と思ったり、高い家電を購入するときに「使いこなせなかったらどうしよう」と不安になったりすることがあるでしょう。
これはマッチングリスク意識と呼ばれる感情です。
マッチングリスク意識
商品を購入する消費者が、購入後のリスクを考えてしまうこと
マッチングリスク意識が高くなるのは、初めて購入するものや高額商品。とはいえ数百円の商品に対しても、少なからずマッチングリスク意識は存在します。
どんな価格帯の商品に対してもマッチング意識は存在しますが、とくに高額な商品に対してのマッチング意識は大きく、この意識を軽減させることが購入へとつながるのです。
そこで企業としては、消費者のマッチングリスク意識を減少させるような工夫が必要です。マッチングリスク意識を減少させるためには、消費者に対し丁寧に説明することが役立ちます。何度も丁寧に説明することで、信頼を得たり商品の良さを感じてもらえたりするでしょう。また口コミを紹介したり、お試し期間をもうけたりといったことも有効です。
ディドロ効果
「高級バッグを購入したら、靴や服もそのバッグに似合うものが欲しくなった」「シックなソファを購入したら、カーテンもかえたくなった」といった経験はないでしょうか。
このような現象は、ディドロ効果によるものです。
ディドロ効果
今までの生活環境になかった、新しい理想的価値をもつものを手に入れたときに、その商品に合わせていろいろなものが欲しくなること
ディドロ効果の活用は、家具店やインテリアショップなどでよく見られます。
同じようなテイストのアイテムでまとめられた空間ディスプレイに、魅力を感じる消費者は多いでしょう。ひとつ商品を購入すると、同一のシリーズでそろえたくなるのも、ディドロ効果が働いているからなのです。
このようなディドロ効果を活用すると、消費者のリピート率を上げられます。商品をシリーズ展開させたり、ブランドの世界観を明確にアピールしたりすることで、消費者に自社のファンとなってもらい、購入という行動につなげられるでしょう。
決定回避の法則
飲食店で何にするか迷ったときに「本日のオススメ」と書いてあるものを注文することがあるでしょう。また、商品が多すぎてどれを選んだらよいか困っていたときに、店員にひとつをオススメされたことで購入できたという経験がある人もいるのではないでしょうか。
これらには決定回避の法則が関わっています。
決定回避の法則
選択肢が多すぎると、その中からひとつを選択できないこと
「選択肢を多く提示して、消費者に選んでもらおう」というスタンスで商品を提示すると、逆に購入に結びつかない場合があります。
選択肢が多いと、消費者に興味をもってもらうことは期待できます。しかし選ぶとなると「どれを選んだらよいのかわからない」と購入をためらってしまうことがあるのです。
そこで消費者に購入という行動を促すためには、決定回避の法則が働かないように工夫することが必要です。そのためには、消費者が選びやすいよう、選択肢を絞って提示するとよいでしょう。
最近の研究によると、3〜7個程度の選択肢が選びやすいといわれています。消費者に商品を提示するときには選択肢を絞り、選ぶ負担を軽くしてあげるとよいでしょう。
【まとめ】マーケティングの成功には心理学の活用がカギ!
心理学をマーケティングに活用すると、販売促進や認知度アップなど自社にうれしい効果が期待できます。ここで紹介した事例を参考に、自社のマーケティング力を高めてみてはいかがでしょうか。