悪口によって命を絶ってしまった人がいるのにも関わらず、今でも絶えることがないインターネット上の悪口。SNSやブログ、そしてネット掲示板など様々な場所で他人の悪口が投稿されています。当たり前のように悪口を言っている人もいますが、悪口の程度によっては犯罪になる場合があります。
そこで気になるのは「犯罪になるのであれば、加害者を逮捕することも出来るのだろうか?」ということだと思います。そのため、この記事ではインターネットで悪口を言ってきた人を逮捕することが出来る可能性や逮捕する方法について具体的にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
インターネットで悪口を言ってきた人を逮捕することは出来るのか?
結論から言いますと、罪に当たるような悪口であると同時に、インターネットで悪口を言われたという証拠があれば加害者を逮捕することが出来る場合もあります。
例えば、「お前って元犯罪者なんだろ?犯罪者が会社に居られると困るから、明日から会社に来るなよ!」という悪口をインターネットで言われた場合は「名誉毀損罪」に問える可能性がありますし、「お前って本当に仕事できないよな!バカすぎて逆に笑えてくる」という悪口を言われた場合は「侮辱罪」に問える可能性があります。
しかし、インターネットで悪口を言われたとしてもあなたが負った損害が小さい場合は、「違法性が低い」とみなされ、罪として扱われないこともあるので注意しましょう。証拠に関してですが、基本的には以下のようなものが証拠として認められます。
証拠として認められるもの
- インターネットで悪口を言われた箇所のスクリーンショット。
- インターネットで悪口を言われた箇所を印刷した紙。
罪に当たるような悪口だったとしても、証拠がなければ加害者を逮捕してもらうことが出来ないので、必ず「証拠」を集めておきましょう。
インターネットで悪口を言ってきた人を逮捕する方法
ここでは、インターネットで悪口を言ってきた人を逮捕する方法を具体的に説明していきます。
ステップ1:告訴状をダウンロードしよう
インターネットで悪口を言ってきた人を警察に逮捕してもらうためには、「刑事告訴」を起こさなければいけません。
刑事告訴とは?
刑事告訴とは、インターネットで悪口を言われた被害者が警察に加害者の逮捕を依頼すること。
刑事告訴を起こすためには、「告訴状」という書類を提出しなければいけませんので、まずはインターネットから告訴状をダウンロードしましょう。
ステップ2:告訴状を作成しよう
次は、告訴状に必要事項を記入して告訴状を作成していきましょう。
告訴状に記載しておきたい内容一覧
- 告訴状の作成日
- 署長名
- 被害者の個人情報(氏名や住所、電話やメールアドレスなど)
- 加害者の個人情報
- 当てはまる罪の種類(名誉毀損罪や侮辱罪など、インターネットで言われた悪口がどの罪に当てはまるのか記載する。)
- 被害状況(被害を受けたサイト名や被害を受けた日時・時間、被害者が負った損害など)
ステップ3:告訴状を警察署に提出しよう
次は、作成した告訴状を警察署に提出しましょう。
注意ポイント
作成した告訴状は、必ず「管轄(その地域を担当している警察署)の警察署」に提出しましょう。
もちろん、管轄以外の警察署に告訴状を提出した場合でも受け取ってはくれますが、担当地域外なので捜査してもらえる可能性は低いと考えられます。捜査してもらえなければ加害者を逮捕することは出来ないので、特別な理由がない限りは「管轄の警察署」に告訴状を提出しましょう。
ステップ4:加害者が逮捕されるのを待つ
告訴状を受理した警察署が抱えている事件が多い場合は、順番待ちになってしまうので捜査してもらえるまで時間がかかることもあります。しかし、告訴状を受理してもらったのであれば、必ず捜査してもらえるので深く心配する必要はありません。
なぜなら、警察は告訴状を受理した時点で「捜査義務」と「捜査経過を被害者に伝える義務」が発生するからです。そのため、告訴状を警察署に提出して受理してもらった場合、後は加害者が逮捕されるのを待ちましょう。
告訴状を提出する場合に気を付けたい2つの注意点
ここでは、警察署に告訴状を提出する場合の注意点について具体的に説明していきます。
「嘘」だけはつかない
告訴状には、様々な必要事項を記入すると思いますが、間違っても「嘘」だけはつかないようにしましょう。
例えば、インターネットで「気持ち悪い」という悪口を言われただけなのに対して、告訴状には「気持ち悪い、死ね、犯罪者などと言われた」と書いた場合は、あなたが「虚偽告訴罪」に問われてしまうことがあります。
虚偽告訴罪とは?
虚偽告訴罪とは、加害者を逮捕してもらうことを目的にして、被害届に嘘の情報を記載したり嘘の被害で訴えたりした場合に成立する罪のこと。
虚偽告訴罪が成立した場合、3ヶ月以上10年以下の懲役という刑に処される可能性があると同時に、99%有罪となってしまうという事実があります。相手を逮捕するはずが、自分が逮捕されてしまったという事態を防ぐためにも、必ず「正しい情報のみ」を記載するようにしましょう。
インターネットで悪口を言われてからなるべく早めに告訴状を提出する
インターネットで悪口を言われてから、なるべく早めに告訴状を提出するようにしましょう。罪には「時効」があります。
時効とは?
時効とは、事件が発生してから一定期間が経過すると、加害者を起訴することが出来なくなるということ。
名誉毀損罪・信用毀損罪・脅迫罪の時効は3年、侮辱罪の時効は1年と言われています。時効が過ぎると、どんなに違法性が高かったとしても逮捕することが出来なくなってしまうので注意しましょう。刑事裁判は判決が出るまで、3ヶ月程度かかると言われています。
余裕を持った行動をするためにも、インターネットで悪口を言われてからなるべく2年以内に告訴状を提出するようにしましょう、
告訴状を受理してもらえなかった場合の対処方法
ここでは、警察に告訴状を受理してもらえなかった場合の対処方法について具体的に説明していきます。
対処方法1:受理してもらえない原因を探る
警察も気分で告訴状を受理するかどうかを決めているわけではないので、受理してもらえなかった場合は告訴状に何かしらの問題があるはずです。例えば、以下のような問題が考えられます。
受理してもらえなかった場合に考えられる原因
- インターネットで悪口を言ってきた加害者の情報が少なすぎる。
- 全体的に内容が抽象的すぎる。
- 罪に問えるほどの悪口ではない。
受理してもらえなかった原因を突き止めない限り、次には進めないので、まずは受理してもらえなかった原因を探りましょう。
対処方法2:弁護士に相談する
「受理してもらえない原因を探ったが、自分では解決することが出来なかった」という場合は、弁護士に相談してみましょう。弁護士は、専門的な知識や豊富な経験があるため、「受理してもらいやすい告訴状の書き方」を知っています。
そのため、個人で告訴状を書くよりも弁護士に告訴状を書いてもらうことで、警察に受理してもらえる可能性も高くなると考えられます。
インターネットで悪口を言ってきた人を逮捕する方法まとめ
この記事では、インターネットで悪口を言ってきた人を逮捕する方法について具体的にまとめました。もう一度おさらいすると、インターネットで悪口を言ってきた人を逮捕する方法は以下の通りです。
まとめ
- 告訴状をダウンロードしよう
- 告訴状を作成しよう
- 告訴状を警察署に提出しよう
- 加害者が逮捕されるのを待つ
悪口の程度によっては、犯罪として認められます。しかし、証拠がなければどんなに違法性が高かったとしても、加害者を逮捕することは出来ないのでスクリーンショットやカメラ撮影を使って、必ず証拠を集めておきましょう。