気軽に好きな写真を投稿することができるツールとして近年ではInstagramがとても流行っています。
アカウントの作成も簡単にできるため、中学生のような若者でも簡単に投稿を楽しむことができる点が魅力的ですが、その一方でインスタのなりすましアカウントが多発しているという問題も発生しています。
本人になりすまして、勝手になりすましアカウントを作成されるのはとても不快ですよね。
この記事では、そのような方の為に犯人の特定方法やアカウントの削除方法についてまとめましたので是非、参考にして下さい。
もくじ
インスタなりすまし・乗っ取り事例
インスタのなりすましとは、本人があたかもInstagramのアカウントを運用しているかのように見せる行為を言います。
以前は多くのフォロワーを獲得している芸能人やインフルエンサーが標的となるケースが多かったのですが、最近では一般人のアカウントを狙ったなりすまし被害も増えてきました。
偽アカウントを作成して運用したり、ID・パスワードを不正に入手してアカウントを乗っ取ったりするケースが特に増えており、注意が必要です。
事例をいくつか紹介しますので参考にしてください。
偽アカウントを作成し運用された事例
偽アカウントを作成し、本人になりすまして運用していた事例を紹介します。
標的になった方が本物アカウントをすでに持っている場合は「なりすまし」かどうかすぐに判断できますが、そうでない場合は気付かずにフォローしてしまうことも十分考えられるわけです。
ここでは、なりすましの被害に遭った女優の有村架純さん、石原さとみさんの事例を紹介します。
有村架純さんの場合
インスタのなりすましアカウントとして話題になったのが、女優 有村架純さんの偽アカウントです。
有村架純さんは2016年8月1日にInstagramのアカウントを開設。最初の投稿では「こんにちは。有村架純です。この度、始めました。よろしくお願いします。写真は、大きな空と私」という投稿と共に、大空の下にたたずむ自分の写真をアップしています。
しかし、インスタグラムには有村架純さんがこの投稿をする前にすでに「kasumi_arimura」という名前で有村架純さんの写真を投稿し続けるアカウントが存在していました。しかも、そのアカウントのフォロワー数は190万人以上いたんだとか。
有村架純さんの本物のアカウントが実際に開設されるまで、誰もこのアカウントがなりすましだと気が付かなかったというのだから驚きです。
石原さとみさんの場合
石原さとみさんのなりすましアカウントも問題になりました。
引用:https://withnews.jp/article/f0170503001qq000000000000000W03610701qq000015061A
こちらのアカウントは「ishiharasatomi.official」と、あたかも石原さとみさんの公式アカウントが存在しているかのような作りをしています。
画像を見れば分かる通り、たったの4投稿しかしていないのにも関わらずフォロワーが約90万人も存在していたようです。なりすましアカウントの影響力がどれだけ大きなものなのか、この事例から分かりますね。
アカウントを乗っ取り運用された事例
続いて、インスタアカウントを乗っ取られた上に運用された事例を紹介します。
吉岡里帆さんの場合
吉岡里帆さんは2021年1月20日、自身のインスタを更新。トルコ人からアカウントを乗っ取られていたことを報告しました。
アカウントを乗っ取った人物は、吉岡里帆さんのアカウントを利用してよく分からない内容の投稿やインスタライブの実施など行っていたようです。被害に遭った後、吉岡里帆さんは以下のような投稿をしています。
黒木メイサさんの場合
黒木メイサさんは、2021年2月19日、自身のTwitterでインスタのアカウントが乗っ取られたことを報告しました。
乗っ取られた際には、2020年6月分から今までのインスタのフィード投稿が削除されるといった被害に遭ったようです。
数時間後には、インスタのストーリーズで「あ、乗っ取られてました」とアカウントを無事に取り返せたと報告しています。
なりすまし・乗っ取り犯人の特定方法
なりすまし・乗っ取りアカウントによる被害に遭った場合は、犯人さえ特定できれば損害賠償を求めることも可能です。
犯人特定に近づくためには、「発信者情報開示請求」が手っ取り早い方法となります。なりすましアカウントの被害に遭い、困っている方は是非参考にしてください。
発信者情報開示請求の流れ
上記のような流れで、犯人特定に向けて「発信者情報開示請求」の手続きを進めることになります。それぞれ、手順別に見ていきましょう。
①権利侵害の内容を立証する
まずは、なりすましアカウントによって発生している権利侵害を確認します。
権利侵害にはいくつか種類がありますが、最低限押さえておきたいものは以下の3つです。
- 名誉毀損
- プライバシーの侵害
- 肖像権・著作権侵害
なりすまし・乗っ取りアカウントの投稿によって、どのような権利侵害を受けているのか最初に明確にすることが大切です。
権利侵害について知らない方もいるかと思いますので、権利侵害の種類別に簡単な説明と共に具体例を紹介しておきます。
名誉毀損
なりすまし・乗っ取りアカウントを利用して、本人の評判が落ちるような発言をしている場合は名誉毀損にあたります。
例:「飲酒運転をしていると言う」「他人の悪口を言う」
プライバシーの侵害
個人の私生活に関する情報の開示は、プライバシーの侵害にあたります。
例:「これまで公開されていな事実」「家族に関する話」「個人情報の公開」
肖像権・著作権侵害
プロフィール写真の転用は、肖像権の侵害に該当する可能性が高いです。
例:「なりすましアカウントにプロフィール写真などを転用された」
②インスタ運営側に対してIPアドレスの情報開示請求を行う
権利侵害の内容を立証した後は、インスタの運営側に対してIPアドレスの情報開示請求をします。
この時に「プロバイダ責任制限法」という法律が利用できます。この法律を利用することで、インスタの管理者に対して発信者情報の開示の依頼ができるようになります。
③犯人のIPアドレスを取得しプロバイダを特定する
インスタの運営側が発信者情報開示に応じた場合、犯人のIPアドレス情報を取得することができます。
④プロバイダに対して情報開示請求する
IPアドレスを特定した後はその情報を元に犯人のプロバイダを特定し、プロバイダに対して情報開示請求を行います。
プロバイダとは、下記の画像のように自宅の回線をインターネットに繋げる役割を果たしているものを言います。プロバイダが情報開示請求に応じることで、始めて犯人特定に繋がる情報を手に入れることができます。
ただし、この方法を利用して犯人を特定するためには専門的な知識が必要になってくる場合がほとんどです。
「プロバイダ責任制限法」を活用して犯人を特定したい場合は弁護士に依頼をして犯人を特定することをおすすめします。
なりすまし・乗っ取りアカウントの削除方法
被害を少なくするために、なりすましアカウントを削除したいと考える方もいるかと思います。
削除するためには、インスタの運営側になりすましアカウントの存在を報告しなければいけません。
アプリとWebの両方で対応可能です。それぞれの削除手順を紹介します。
アプリから報告する場合
①なりすましているアカウントのプロフィールの右上にある「・・・」のマークをタップし、「報告する」をタップ
②「不適切である」をタップ
③「アカウントを報告」をタップ
④「なりすましアカウントである」をタップ
⑤「このアカウントを報告する理由」で該当するものをタップ
Webから報告する場合
Webからインスタの運営になりすまし・乗っ取りアカウントの連絡をするためにはこちらのフォームを使用する必要があります。
記入事項が多いのですが、アプリからなりすましアカウントの連絡をするよりも詳細に状況を伝えることができるので、アプリで報告した後にこちらのフォームからも報告することをおすすめします。
フォームを開くと以下のような画面になるので、手順に沿って記入しましょう。
「誰かが私または友達になりすましたアカウントを作成した」「Yes, I am the person being impersonated」をクリックし、自分の氏名とメールアドレスを入力します。次に、報告するアカウントの氏名とユーザーネームを記入します。
以下の画像であれば「もくナビ」が氏名でmognavi.jpがユーザーネームに該当します。
ここまで記入したら本人確認書類の写真をアップロードを行ないます。運転免許証やパスポート、学生証などの本人確認書類と自分が写った写真を撮影し、アップロードしましょう。
最後に追加情報の部分に「アカウントの投稿内容や現在受けている被害」など詳細情報を記入します。
上記の手順で、インスタの運営側になりすましアカウント削除の連絡をすることができます。
インスタなりすまし・乗っ取りアカウントへの対策法
インスタの運営側に対して、なりすましアカウントの連絡を行い無事になりすましアカウントが削除されたとしても100%安心できるとは言えません。
なぜなら、再びなりすましアカウント(偽アカウント)が作成されてしまう可能性があるからです。また、第三者に不正にアカウントのID・パスワードを入手されてしまい、乗っ取られる可能性も十分あります。
ここでは、なりすましアカウントへの有効な対策方法を紹介します。
偽アカウント作成への対策方法
なりすましアカウントからの被害を最小限に抑えるためには、まずは偽アカウントの存在を知ることが大切です。具体的な対策方法を紹介します。
エゴサーチする
偽アカウントの存在にいち早く気づく方法としておすすめしたいのが、「エゴサーチ」です。
「エゴサーチ」とは、インターネット上で自分の名前を検索することを言います。略して、エゴサと言われることもあります。
以前は芸能人がエゴサーチしていることが多かったのですが、最近は一般人でもエゴサーチすることが増えてきています。
普段からエゴサーチすることを習慣化すれば、偽アカウントの存在に早い段階で気付くことができるわけです。
有村架純さんの場合もInstagramでエゴサーチをしていなかったために、なりすましアカウントの発覚まで時間がかかりました。常にチェックをしていれば、なりすましアカウントのフォロワーが190万人まで増えることはなかったでしょう。
SNS監視サービスを利用する
エゴサーチは、なりすましアカウントによる被害の拡大を未然に防ぐ方法としては有効です。
とは言っても、人によっては忙しくてエゴサーチする時間がないという方もいるでしょう。そんな方には、SNS監視サービスがおすすめです。
SNS上のアカウントのなりすましや炎上が最近では増えてきていますが、そういった事態を未然に防ぐために誕生したサービスがSNS監視サービスになります。
24時間365日SNS上での投稿をチェックしているため、自分で確認をしなくても誹謗中傷コメントや、なりすましアカウントをすぐに発見できるのが強みです。
月額料金の相場は10万円程度。資金に余裕がある方は、こういったサービスを活用してなりすましアカウントからの被害をうまく回避することをおすすめします。
特にインフルエンサーなど多くのフォロワーを抱える方は、お金をかけてでもなりすましアカウントへの対策をやっておいて損はないでしょう。
弊社でもパトロール施策をご提案できますので、気になる方はお問い合わせください。
アカウント乗っ取りへの対策
何者かに自分のアカウントを乗っ取られてしまうと、これまでの投稿を削除されたり、勝手に関係ないことを投稿されたりするなどさまざまな被害に遭ってしまうことが考えられます。
具体的な対策方法を見ていきましょう。
二段階認証をオンにする
アカウントの乗っ取りを防ぐのに有効なのが、二段階認証をオンにすることです。
セキュリティ強化方法は、本来「Whats App」「認証アプリ」「SMS」の中から選択できますが、今回は「SMS」で設定する方法を紹介します。
①以下画像の赤く囲った「・・・」をタップ
②「設定」をタップ
③「セキュリティ」をタップ
④「二段階認証」をタップ
④「スタート」をタップ
⑤「SMS」をタップ
⑥SMSに届いたコードを入力
⑦入力後、5つのバックアップコードが赤枠部分に表示される
⑧「二段階認証がオンになっています」という表示が出たら設定完了
パスワードは慎重に設定する
アカウントの乗っ取り被害から自身のアカウントを守るためには、パスワード設定は慎重に行いましょう。
誕生日など自分自身に関係が深い数字、推測しやすい単純なものは避けます。
複雑なパスワードを設定した場合でも、定期的にパスワードを変更したほうがいいでしょう。
DMは信頼できるものだけ確認する
個人情報を聞き出す目的でユーザーにDMを送り、そこからID・パスワードを入手する手法もアカウントの乗っ取りでは定番です。
初めからDMは信頼できるものだけを確認すると決めておけば、被害に遭うことを未然に防ぐことができます。
他のアプリとの連携は避ける
インスタのアカウントと他のアプリを連携してしまうと、インスタからでなくても連携先のアプリから個人情報が洩れてしまうかもしれません。
どうしても連携しなければいけない場合を除き、他のアプリとの連携は避けるのが無難です。
【まとめ】インスタなりすまし・乗っ取りの犯人は特定・削除も可能
この記事では、インスタなりすまし&乗っ取り犯人特定方法と削除依頼方法について解説しました。
犯人を特定するためには「発信者情報開示請求」を利用してインスタの運営側やプロバイダに対して情報開示の依頼をする必要があります。
「発信者情報開示請求」を利用する場合は専門的な知識が必要となってくるので、ネット関係の問題解決を得意とする弁護士に依頼をすることをおすすめします。
なりすましアカウントからの被害を予防するためには、各自で対策することが大切です。面倒だと思わず、自分の身を守るためにも今回紹介した対策方法をぜひ実践してください。