事例紹介

コンプライアンス違反に要注意!事例から学ぶ対策案

皆さんは、コンプライアンス違反がどのようなものか正しく説明することはできますか?現代社会で切っても切り離せないコンプライアンス。知らない間にコンプライアンス違反をしていた。なんてことも考えられます。

この記事では、コンプライアンス違反がどのようなことを指すのか事例を交えて解説していきます。

本記事で分かること

  • コンプライアンスとは
  • コンプライアンス違反は行為を指すのか
  • コンプライアンス違反の事例
  • 企業が行うべきコンプライアンス対策
  • 個人で気をつけたいコンプライアンス
  • コンプライアンス教育のポイント

コンプライアンスとは

「コンプライアンスは遵守しましょう。」これはよく聞く言葉ですが、あなたはコンプライアンスの意味を正しく理解していますか?

コンプライアンスとは、「要求や命令を承諾すること」という意味ですが、企業経営では「法令遵守」と解釈され、社会秩序を乱さずに公正かつ公平に業務を行うことを指しています。しかし、最近では単なる法令遵守だけではなく「社会的なルールから逸脱していないか」「人間の道徳に反するものではないか」など幅広い意味に変化しています。

最近では、企業の内部情報漏洩や個人情報の取り扱い方が社会的に大きな問題となっていますし、一昔前にありがちだった「法に触れなければある程度のことは許される」なんて安易な考えは全く通用しません。

自社のルールを守ることはもちろんですが、倫理的、道徳的なモラルといった社会師範にも注意を払いつつ業務を行わなければいけません。

コンプライアンス違反はなぜ起きるのか

社会的な問題となっている、コンプライアンス違反。なぜ違反が後を断たないのでしょうか。その原因として考えられるのがこちらです。

  1. コンプライアンスに対する知識が乏しい
  2. 不正を働きやすい環境
  3. コンプライアンス違反を是正する体制が整っていない

「知らなかった。分からなかった。」では済まされないコンプライアンス違反。知識が乏しいために起きてしまった違反は未然に防ぐことができる原因と言えます。

しかしながら、不正を働きやすい環境が企業全体に漂っている場合は、企業全体を上げて改善する気持ちがないと改善が難しい面もあります。

会社のトップに立っている役員や経営者が自発的にコンプライアンス違反を行っている場合は、部下にもコンプライアンス違反を行うように指示を出したりと日常的に違反が起きやすい社内風土が形成されています。

ここまで会社全体でコンプライアンスに対する意識が低い場合は、違反が明るみとなり外部から厳しい指摘や制裁を受けなければ改善されることが難しいと思われます。

コンプライアンス違反とはどのようなことを指すのか

一言でコンプライアンス違反と言ってもその種類はさまざまです。企業における代表的なコンプライアンス違反がこちらです。

  • 個人情報の流出、漏洩
  • 不正会計(粉飾決算、脱税)
  • 産地偽装
  • 不当広告(虚偽、誇大)
  • 違法な時間外労働や休日労働
  • 残業代の未払い

ニュースなどでよく目にする機会が多いのが、個人情報の流出です。個人情報の流出は、顧客に迷惑をかけるだけではなく社会的な信用をなくすことにもつながります。顧客の個人情報は厳重に行い、決して流出することがないように務めなければなりません。

コンプライアンス違反の事例

コンプライアンス違反がどのようなことを指すかを説明しましたが、実際に起きたコンプライアンス違反の事例を見ていきましょう。

粉飾決算などの不正会計

インターネット関連のベンチャー企業として有名なライブドア。2004年9月の連結決算にて、実際は3億円の経常赤字があったにも関わらず、売上高経常が認められない自社株売却益などを売上高に含め、53億円の経常黒字としたことで2006年1月に社長の他役員3名が逮捕されました。

免震ゴムの性能を偽装

2015年3月、自動車タイヤなどを主力とする東洋ゴム工業株式会社が製造・販売した建築用の免震ゴム部品に、性能データなどの偽装があったと国土交通省が発表しました。

この製品は地方自治体の庁舎や各地のマンション、病院の建築に用いられていました。大阪地検特捜部は、不正競争防止法違反の罪で東洋ゴム工業株式会社の製造子会社である東洋ゴム化工品株式会社を起訴しました。

期限切れ食品・食品使い回し

2007年に起きた船場吉兆事件。高級料亭船場吉兆が、賞味期限切れ商品を販売していたことが発覚しました。これを発端とし地鶏の産地偽装、客の食べ残しを使いまわし、無許可で梅酒を製造していたなど多くの不祥事が内部告発により相次いで発覚。2008年に廃業に追い込まれました。

震災関連の助成金を不正受給

2016年事業用大型プリンターの製造・販売を主力としている企業が福島県に工場を新設するにあたり、納入業社に虚偽の書類作成を指示して機械代などの購入費用を水増し請求させ「ふくしま産業復興企業立地補助金」を不正に受け取ったことが発覚しました。行政は、この企業に対して支払った補助金合計6億2,700万円の返還を命令するとともに、詐欺などの容疑で告訴、告発する方針を示しています。

信用が悪化した企業は、経営が悪化し2017年3月に約20億円の負債を抱えて事業を停止しています。

過労働により女性社員が自殺

2017年9月、大手広告代理店の株式会社電通が2015年10月から2015年12月の間、従業員4名に対して労使間協定で定めた1ヶ月の残業時間の上限を最大で約19時間超えて働かせ、違法残業をさせたとして労働基準法違反で東京簡易裁判所に略式起訴されました。

この事件では、2015年に新入社員の女性が過労死自殺しており、東京簡易裁判所は事件の社会的影響を考慮してか略式起訴を不相当として、通常の公判手続きを行い、被告人である株式会社電通の社長が出廷しました。

個人情報の流出

2014年、通信教育や出版事業の大手企業である株式会社ベネッセコーポレーションの3500万件にのぼる顧客情報が不正に持ち出されていたことが発覚。

同社がシステムの保守を委託していた企業の派遣従業員がデータを持ち出して売却していたことがわかりました。この事件では、ベネッセは被害者でもありますが見舞金の支払いや顧客の流出が影響し、大幅な赤字に転落しています。

企業がコンプライアンスを遵守するための対策

企業がコンプライアンスを遵守するためにぜひ行ってもらいたい対策がこちらです。たった一回コンプライアンス違反を行った場合でも、企業にとってはかなりの痛手を被る可能性がありますので、企業一丸となって取り組むことが必要となります。

  • 社員の行動基準を策定する
  • 報告相談をしやすい環境を整える
  • 定期的に内部監査を行う
  • コンプライアンス文書の更新
  • 全社員対象のコンプライアンス教育を実施する

社員の行動基準を策定する

自社の事業や経営理念、各種法律に関連するさまざまな情報や資料をもとに、明確な社内規定を策定しましょう。その上で、就業規則やコーポレートサイトなどを開示します。各種ハラスメントや情報セキュリティ、反社会的勢力との関わり、営業方法などについて規定を明確にすることは大切なことです。

報告相談をしやすい環境を整える

中には実際に顧客対応を行っていなければ分からない違反が起こる可能性もあります。そこで、コンプライアンス違反に当たるのではないかと思った時に報告や相談をスムーズに行うことができる相談窓口を整えておきましょう。

通報する場合は、ガイドラインを設けることで混乱を回避することができます。また、通報した人が不利益を被ることがないように匿名での通報を可能にする、外部機関を介入させるなどの配慮も行うことが大切です。

定期的に内部監査を行う

定期的に内部監査を行うことで、コンプライアンス違反の芽を摘み取ることができます。適正なチェックを行うためには、企業内で取り扱っている文書や情報の管理も徹底しなければなりません。社内のコンプライアンス体制をしっかりと機能させるには、内部で継続的にモニタリングすることが大切です。

コンプライアンス文書の更新

企業のコンプライアンスに関わる法律は多岐にわたっています。法律は時代の変化に合わせて改正されますので、改定された内容に文書が適しているのか定期的に見直す必要があります。自社のサイトなどで公開している書面についても常に最新版を公開するようにしましょう。

全社員対象のコンプライアンス教育を実施する

コンプライアンスは、経営者だけが理解していればいいといったものではありません。もちろん、経営者は理解しておかなければいけないことですが、新入社員であってもコンプライアンスについてしっかりと知っておく必要があります。

全社員がコンプライアンスの内容を熟知していることで、仮に問題が発生したとしても瞬時に的確な対応を行うことができます。他にもコンプライアンス教育を行うことで得られるメリットがありますので、2つほどご紹介します。

企業の不祥事を未然に防ぐ

2000年代に突入してから、大企業のコンプライアンス違反が続いたことがきっかけで社会的に企業におけるコンプライアンス体制の整備が求められるようになりました。

コンプライアンス違反を行った企業は、たった一度の違反でも社会的信用を失い、最悪の場合倒産となることも大いに考えられます。そのような最悪の状況を回避するためには、普段からコンプライアンスについて考える場を設けて教育を行うことが大切です。

普段からコンプライアンスについて、意識づけを行うことで万が一問題が生じた場合でも、対処マニュアルに則った対処を行うことができるはずです。この対処を行うことで、損失も最小限に抑えることができます。

企業価値を高める

コンプライアンスを企業全体で高めることにより、企業としての価値をより一層高めることができます。具体的には、企業で行っているコンプライアンス体制をホームページなどで公表することでコンプライアンスに対して高い意識を持っているとアピールすることができます。

その結果、リスクの少ない企業としての信用を得ることも可能です。

コンプライアンス違反を起こす人にならないためには

企業としてコンプライアンスを守るために対策を取ることはもちろんですが、個人でもコンプライアンスを守るために気をつけなければいけないことがあります。この一部がこちらです。

  • 会社の備品を私物化しない
  • 業務で知り得た情報を家族や友人に公開しない
  • 業務用データを持ち出さない
  • 勤務時間を誤魔化さない

「バレないだろうから大丈夫」「みんなもやっているから自分がやっても影響がないだろう」など軽率な考えて動いてしまうと、コンプライアンス違反の発覚となるかもしれません。

自分だけは大丈夫だろうという甘い考えは捨てて、「自分はコンプライアンスをしっかり守る」という意識を保ちましょう。

会社の備品を私物化しない

会社から支給されているPCやスマートフォンは全て会社の所有物です。休憩時間などに業務と関係のない情報を閲覧したり、SNSを利用する行為は行わないようにしましょう。

また、無料のアプリやソフトウェアもウイルス感染の原因となる恐れがあるので、自己判断でインストールすることは絶対やめましょう。

業務で知り得た情報を家族や友人に公開しない

業務上知り得た未公開の情報は、たとえ家族であっても公開してはいけません。安易に情報を公開してしまったがために、会社に損害がでれば重大な責任を負わなければいけない可能性もでてきます。

業務用データを持ち出さない

会社で扱っている文書や情報には、「社外秘」などの規定があると思います。社外秘であるにも関わらず、自宅で仕事をしようと思いデータを持ち帰る行為は規定によっては、コンプライアンス違反となる可能性があります。

仮にUSBに保存して持ち出した場合、紛失の恐れも出てきます。データを持ち出すと紛失の恐れがあるからといって、私有のPCにデータを転送する行為も情報漏洩になります。

勤務時間を誤魔化さない

業種によって繁忙期がある場合、その時期は残業を行っても仕方ないと思います。しかし業績をあげたい、どうしても間に合わせたい仕事があるなど、上司に内緒で自主的に残業を行うことは勤務時間に影響を及ぼしますのであまりおすすめはできません。

そして企業には残業に対して賃金を支払う義務があるため、仮に自主的な残業あったとしても承認を得る必要があると考えましょう。

コンプライアンス教育のポイント

コンプライアンス違反を未然に防ぐために必要となるのが、コンプライアンス教育です。ただコンプライアンス教育を行うだけではなく、確実に理解を深めておかなければならない項目があります。その項目がこちらです。

  1. 倫理や行動規範について
  2. なぜコンプライアンスを守らなければいけないのか
  3. 現在の社会動向について
  4. 自社で行っているコンプライアンス体制と活動について
  5. コンプライアンス違反を行った場合のリスク

コンプライアンス教育の方法としては、インターネットを利用したeラーニングや外部機関を利用した研修などが挙げられます。また、事例を紹介してどのようなことを感じたのか、コンプライアンス違反を防ぐためにはどのような行動を取るべきだったかなど社員同士でディスカッションすることも非常に有効的です。企業に合った方法でしっかりとコンプライアンスについて理解を深めましょう。

さらに自分自身の役職や実務経験に適した知識を知りたい場合は、役職ごとに教育内容を変えてより高いレベルでコンプライアンス教育を行うことも効果的です。それぞれの立場によって、知っておきたい知識を学ぶことでコンプライアンスに対する意識がさらに高まります。

まとめ

コンプライアンス違反とはどのような行為を指すのか、また実際にコンプライアンス違反として報道された事例について解説しました。簡単にポイントをまとめておきます。

本記事のポイント

  • コンプライアンスとは企業が必ず守らなければいけないルール
  • 一度でもコンプライアンス違反を犯すと社会的な制裁を受けなければならない
  • 企業として会社全体でコンプライアンスに対する意識を高める必要がある
  • 一個人のコンプライアンス違反が企業に及ぼす影響は計り知れない
  • コンプライアンス違反は教育を行うことで未然に防げる可能性が高い

今回はコンプライアンス違反とその事例について解説しました。コンプライアンス違反に対する社会的制裁は年々重くなってきており、たった一回のコンプライアンス違反が企業にとって命取りとなる可能性が高いです。

しかしコンプライアンス違反は、コンプライアンス教育を実施することで未然に防ぐことができます。企業をあげて違反を行わないようにすることはもちろん大事ですが、個人でもコンプライアンス違反を起こす人にならないように行動するようにしましょう。

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