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誹謗中傷で警察は動かない?名誉毀損や侮辱罪にあたる基準もご紹介

2020年7月8日

名誉毀損罪や侮辱罪など、様々な罪に問える可能性がある誹謗中傷。誹謗中傷はれっきとした犯罪なので、警察に申告をすれば、警察が犯人逮捕に向けて動いてくれる場合もあります。しかし「誹謗中傷で警察は動かない」という噂を聞いたことがある人も多いのではないでしょう?

「誹謗中傷で警察は動かない」という噂がある中で気になるのは、「本当に動かないのか?」ということだと思います。そのような方のために、この記事では誹謗中傷で警察は動かないという噂の真実や動かないと言われている理由などについて具体的にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

誹謗中傷で警察は動かない?名誉毀損や侮辱罪にあたる基準もご紹介

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誹謗中傷で警察は動かないという情報は本当なのか?

まず、結論から言いますと誹謗中傷程度では、警察は動かないという情報は「嘘」です。誹謗中傷は名誉毀損罪や侮辱罪など様々な罪に問える可能性があるので、罪にあたるのであれば警察は犯人逮捕に向けて動いてくれます。

しかし、「誹謗中傷では警察は動かない」というのも間違っているわけではありません。正確には、「誹謗中傷であっても罪にあたるのであれば、警察は動いてくれるが、実際には中々動いてくれない」という表現の方が正しいかと思います。

警察が動かない理由については、次の段落で詳しく説明しますが、基本的に警察は「違法性が高い」という事件のみ捜査に動き出します。誹謗中傷はどちらかというと、違法性が低い事件の方が多いため、警察に相談したとしてもなかなか動いてもらえないというのが現実です。

警察に動いてもらうためには「違法性が高い」という証明をする必要があります。

誹謗中傷で警察がなかなか動いてくれない3つの理由

次に警察がなかなか動いてくれない理由について具体的に説明していきます。

民事控訴で解決することができそうなトラブルであるため

警察がなかなか動いてくれない理由の1つ目は「民事控訴で解決することができそうなトラブルであるため」です。民事控訴で解決できそうなトラブルのことを「民事不介入」とも言います。

民事不介入とは?

民事不介入とは、民事控訴で解決できそうな事件に関しては、警察が介入する必要はないという原則のこと。

つまり、「警察が介入しなければいけないほどの大きな事件に関しては警察も動きますが、個人的に解決することが出来そうな事件は個人で解決してください」ということです。例えば、AさんがBさんから「お前って不倫していたんだろう!最低だな」という誹謗中傷をされたとしましょう。

今回の誹謗中傷は名誉毀損罪に当てはまる可能性が高いので、警察に相談した場合、Bさん逮捕に向けて動いてくれるかもしれません。しかし、これだけですとわざわざ警察が介入する必要はないと言えます。

なぜなら、十分AさんとBさん同士で解決できるようなトラブルだからです。このように「個人間で解決することが出来そうなトラブル」に関しては、基本的に警察は動いてくれないので注意しましょう。

「表現の自由」という権利があるため

警察が中々動いてくれない理由の2つ目は「表現の自由という権利があるため」です。表現の自由とは、以下のような意味を持っています。

表現の自由とは?

表現の自由とは、国や企業など様々な機関からの制約を受けることなく、どんな場所、どんな時間であっても自分の好きなことを言うことが出来るという権利のこと。

つまり、「表現の自由」という権利があるため、他人の発言を簡単に「犯罪だ」と断定することはできないのです。このように「表現の自由」という権利があるため、誹謗中傷を簡単に取り締まることが出来ないとも言われています。

そもそも犯罪と言えるレベルではないため

警察が中々動いてくれない理由の3つ目は「そもそも犯罪と言えるレベルではないため」です。先ほども軽く触れましたが、警察は「違法性が高い」事件を優先して動き出します。

違法性が高いと判断した事件を優先して捜査していくため、申告した誹謗中傷も違法性が高いと判断してもらうことが出来た場合は、優先して動いてもらうことが出来ます。しかし、誹謗中傷というのは基本的に事件性が低いトラブルがほとんどです。

例えば、以下のような誹謗中傷事件があったとします。

  • 同僚のAさんに「お前って本当に仕事できないような!どうしてそんなにバカなの?」という誹謗中傷を職場でされた。
  • SNSで発言したところ「バカみたいな考えしているんですね」という誹謗中傷コメントを見知らぬ人にされた。
  • 自分が経営しているラーメン屋のレビューに「ここのラーメンは不味すぎる!店主の舌はアホなのだろうか?」という誹謗中傷レビューを投稿された。

確かに上記の誹謗中傷は、被害者からすると違法性が高いと判断することが出来るかもしれませんが、警察からすると「それは個人で解決することが出来るだろう」と捉えられてしまう可能性が高いと考えられます。

例えば、1つ目の誹謗中傷は被害者と同僚Aの間で解決することが出来ると考えられますし、それでも解決しないという場合は会社に相談すれば解決するかもしれません。2つ目の誹謗中傷や3つ目の誹謗中傷に関しても個人間で解決することが出来ると考えられます。

このように違法性が低く、犯罪と言えるレベルではないという誹謗中傷に関しては、基本的に警察は動いてくれないので注意しましょう。

名誉毀損や侮辱罪にあたると判断された場合は警察が動く

誹謗中傷で警察がなかなか動いてくれない理由について書きましたが、名誉毀損や侮辱罪にあたると判断された場合は警察が犯人逮捕に向けて動き出します。まずはそれぞれの意味を確認しましょう。

名誉毀損とは

名誉毀損とは他人の名誉を傷つける行為。

侮辱罪とは

事実を摘示せずに公然と人を侮辱する行為。

この説明を読んで曖昧だなと感じた方は多いのではないでしょうか。

誹謗中傷を罪として判断する基準を一般の人が見分けるのは難しく、ケースバイケースでもあります。そのため警察が対応してくれるか否かも、実際に相談してみないことにはわからない部分もあります。

誹謗中傷が名誉毀損や侮辱罪になる条件

名誉毀損や侮辱罪にはいくつかの条件があり、警察はその条件を満たしている場合に罪にあたると判断します。ここでは名誉毀損罪や侮辱罪と判断される条件をご紹介します。

名誉毀損の条件

名誉毀損かどうかを判断する基準として相手の名誉を傷つけていることに加え、以下のような条件を満たしていることが必要です。

公然性

公然性とは不特定、もしくは多数の人が知る可能性があるということです。ネット上の書き込みなどは不特定多数の人が見ることができるので、この条件を満たしています。

逆に言うと、名誉を傷つけるようなことであっても、二人の場面で直接言われるなど、相手と自分しか知り得ない状況であれば名誉毀損にはなりません。SNS上でもDMであれば自分と相手のみのやり取りなので同じことが言えます。

事実の摘示

事実の摘示とは事実として伝えることです。この場合伝えている内容が事実であるかそうでないかは関係ありません。見た人や聞いた人が事実として捉えるように伝えた場合のことをさします。

名誉毀損にならないもの

逆に名誉毀損にならないケースについても簡単にまとめます。

名誉毀損にならないケース

  • 有名企業や政治家など社会的な影響力を持つ人や組織に対する中傷
  • 相手に損害を与えることを目的としたものではない場合
  • 真実であることの証明がされている場合

名誉毀損と侮辱罪の違い

次に侮辱罪についてです。侮辱罪は先程ご紹介した名誉毀損と似ていますが、違う点が1つあります。それは事実の摘示です。

侮辱罪とは名誉毀損の条件の中の事実の摘示を排除したものです。つまり、事実であるように伝えられていない場合、名誉毀損の罪に問われることはありませんが、侮辱罪として扱われる可能性はあるということになります。

ものすごく簡単に例えるのであれば、バカ、ブサイクといった抽象的な表現の場合、名誉毀損にはなりませんが、侮辱罪として扱われる可能性はあるということです。

誹謗中傷が名誉毀損や侮辱罪に該当する例

誹謗中傷が名誉毀損や侮辱罪に該当する例をいくつかご紹介します。

  • SNSへの書き込み
  • ブログ等の記事での誹謗中傷
  • Google Map等の口コミ
  • 広告による名誉毀損

これらの誹謗中傷は内容によっては名誉毀損や侮辱罪にあたる可能性があります。

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誹謗中傷で警察に動いてもらうためにできる3つの対処方法

誹謗中傷では警察はなかなか動いてくれないと言われても、「何とかして動かしたい」と思っている人も多いかと思います。そのような方のために、ここでは警察に動いてもらうために今からできる3つの対処方法について具体的に説明していきます。

被害状況を具体的に記載する

警察に動いてもらうためには、被害届又は告訴状を提出しなければいけません。被害届や告訴状を提出する際は、被害状況を記載する必要があるのですが、その被害状況をなるべく具体的に記載するようにしましょう。

被害届とは?告訴状とは?

  • 被害届とは、犯罪の被害に遭ったということを警察に申告する際に提出する書類のこと。
  • 告訴状とは、犯罪の被害に遭った本人が警察に対して犯罪にあったという事実を申告し、処罰を求める際に提出する書類のこと。

例えば、以下のような被害状況の書き方だと、警察が動いてくれる可能性は低くなるので注意しましょう。

  • 被害状況という欄に「誹謗中傷の被害に遭った」と記入した。

上記の書き方ですと、抽象的すぎるため「違法性があるのか」ということが分かりません。反対に以下のような被害状況の書き方だと、高い確率で警察が動いてくれると言えます。

  • Twitterで「お前は人間のゴミだ」という誹謗中傷をされた。誹謗中傷が原因で○日間会社に出勤できずにいる。

「誹謗中傷が原因で〇日間会社に出勤できずにいる」という被害状況が書かれているため、警察は「出勤することが出来なくなるくらい酷い誹謗中傷だったのか?捜査してみようか」と判断してくれる場合があります。

このように警察に動いてもらいたいのであれば、被害状況をなるべく具体的に記載するようにしましょう。

サイバー犯罪相談窓口に連絡を入れてみる

警察に動いてもらいたいのであれば、近所の交番ではなくサイバー犯罪相談窓口に連絡を入れてみるようにしましょう。

サイバー犯罪相談窓口とは?

  • サイバー犯罪相談窓口とは、インターネット関係の事件を専門に取り扱っている相談窓口のこと。

警察官だとしても、全員同じような知識を持っているという訳ではありません。知識に差がある場合があるため、近所の交番に勤めている警察官がインターネットトラブルに詳しくないという可能性もあります。

インターネットトラブルに詳しくない警察官にインターネットトラブルの相談をしたとしても、根本的に違法性があるのか警察が動くべきなのか分からないということもあるでしょう。

その点、サイバー犯罪相談窓口は、インターネットトラブルに特化している相談窓口なので、インターネットトラブルに強い警察官が集まっています。そのため、近所の交番に相談しても取り扱ってもらえないという場合は、一度サイバー犯罪相談窓口に相談してみるようにしましょう。

誹謗中傷の被害を警察以外で解決する方法

この記事を読んでいる方の中には、実際に今、誹謗中傷に悩んでいて解決したいと思っている方もいると思います。

そんな方はここまで記事を読んでいて、「警察がなかなか動いてくれないのであればどうしたら良いのだろう」と更に悩んでしまっているのではないでしょうか?

誹謗中傷の被害として多いのがネットやSNS上での書き込みです。このような書き込みの問題は、その書き込みを見た人にネガティブな情報や事実と異なる情報を広めてしまうということです。企業であれば悪評はイメージダウンや売上の低下に直結してしまいます。

ここでは警察に動いてもらう以外で誹謗中傷の被害を解消する方法をご紹介します。

記事や投稿を作成した人に削除してもらう

これはわかりやすい方法ですが難しい方法でもあります。しかし、先程ご紹介したような警察の判断基準からすると、警察が動かないものに関しては自分たちで解決できるという判断です。

また、ネット上に一度出てしまった記事を完全に消すのは難しい可能性もあります。

弁護士に相談する

名誉毀損で訴えたい場合や逆に訴えられてしまった場合は弁護士に相談しましょう。法律に詳しい専門家のアドバイスを受けた上で対処することをおすすめします。

記事や投稿が目立たないようにする

次に記事やSNSの投稿が目立たないようにするという方法があります。

例えばブログなどの記事に誹謗中傷を書かれた場合、風評被害の書かれた内容の記事よりも正しいことが書かれた記事が検索順位で上位に表示されれば風評被害をカモフラージュできます。

この方法に関しては専門的な知識が必要な場合があるので、次でご紹介するようにプロに相談することをおすすめします。

また、SNSによる誹謗中傷であれば自らのアカウントで正しい情報を発信することも対処法の1つといえます。

プロに相談する

最後に困った時はプロに相談することもできます。警察が動いてくれないような誹謗中傷であっても、誹謗中傷に関する対策を行っている会社のプロであれば被害状況にあった解決策を提案してくれます。

【まとめ】誹謗中傷では警察は動かない場合が多い

この記事では、誹謗中傷では警察は動かないのかどうかということについて具体的にまとめました。もう一度おさらいすると、誹謗中傷でも警察は動きますが、なかなか動いてもらえないというのが結論です。

名誉毀損や侮辱罪のように警察に「違法性が高い」と判断してもらうことが出来れば、警察は動いてくれるので、被害状況という欄にはなるべく具体的に記載するようにしましょう。

また、誹謗中傷の被害にあって警察が動いてくれない場合や動いてくれるかわからなくて悩んでいる場合でも、プロに相談することで誹謗中傷が広がるのを防ぐことができます。

弊社でも誹謗中傷に関するご相談をお受けしているので、お困りのことがあるという方はこちらからお気軽にご相談ください。

  • B!

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