平成21年に比べてインターネットによるいじめの発生件数は急激に増加しました。インターネットによるいじめの発生件数が急激に増加して原因は、インターネットに触れる年齢が若くなっていることだと言われています。
若いうちからインターネットに触れされるというのは、ネットリテラシーを高めることが出来るというメリットがある反面、インターネットによるいじめの被害者になりやすいという注意点もあります。
インターネットによるいじめの被害者になりやすいという注意点がある中で「子供をインターネットいじめの被害者にさせたくない」と思っている親御さんも多いかと思います。
そのような方のために、この記事ではインターネットいじめの被害者にならないために行いたい対策方法について具体的にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
インターネットいじめの被害者にならないために行いたい3つの対策方法
ここでは、インターネットいじめの被害者にならないために行いたい3つの対策方法について具体的に説明していきます。
インターネットの怖さを子どもに理解させる
インターネットによるいじめの被害者にならないようにするためには、「インターネットの怖さ」を子どもに理解させる必要があります。インターネットは良くも悪くも便利な機能です。
電話やメールのやり取りはもちろん、検索エンジンを使って様々な情報に触れたり気軽にショッピングをしたりできるようになりました。現在は、「スマートフォンがあれば何でもできる」と言っても過言ではありません。
しかし、便利なインターネットに触れる機会が増えると、それに伴いインターネットトラブルに巻き込まれる可能性も高くなります。例えば、表向きはゲームの攻略サイトだが、本来の目的はユーザーの個人情報を抜き取ろうとしているサイトかもしれません。
仮に「ここに氏名や住所、電話番号などを打ち込めば、最強アイテムを0円でゲットできる!」というフォームがあったとします。大人であれば「怪しい」と判断する人が多いと思いますが、子どもはまだ知識が浅いため、何の疑問も持たずに個人情報を入力して送信してしまうかもしれません。
これを友達にも教え、友達もネットトラブルの被害に遭ってしまうと「ふざけるな!お前のせいでゲームアカウントが乗っ取られただろ!」と責められることもあるでしょう。ここから、インターネットによるいじめの被害者になってしまうこともあります。
このようにインターネットには、様々な罠が仕掛けられています。子どもとインターネットは切っても切り離せない関係になりつつあるので、一度「インターネットの怖さ」を理解させるようにしましょう。
インターネット特有のコミュニケーション能力を付けさせる
インターネットによるいじめの被害者にならないようにするためには、「インターネット特有のコミュニケーション能力」を子どもに付けさせる必要があります。例えば、以下のような文章があったとしましょう。
例文
- 同じクラスのAさんといると楽しくない。
- 同じクラスのAさんといると楽しくない?
どちらも同じ文章ですが、文末が異なるだけで文章の意味が変わってきます。1番の方は、「Aさんと居たくない、Aさんはつまらない」というようなネガティブな意味になってきますが、2番の方は、「Aさんと居ると楽しい!皆もそう思わない?」というポジティブな意味になってきます。
直接会話をしているときは、相手の表情や言葉の抑揚でどのような意味か判断していると思いますが、文章になると相手の表情や言葉の抑揚が分からなくなってくるため、文章から意味を読み取るしかありません。
例えば、以下のような文章があった場合は、2番の方が良い印象を抱く人が多いかと思います。
例文
- プレゼントありがとう。
- プレゼントありがとう!(*'▽')
プレゼントを渡した相手から1番のメッセージが送られてきた場合は、「あれ?気に入らなかったかな?」という不安を抱く人も多いかと思います。このようにインターネットを使う上では、インターネット特有のコミュニケーション能力が必要になってきます。
解釈の違いでインターネットによるいじめの被害者になってしまったという事例は多いので、必ずインターネット特有のコミュニケーション能力を子どもに付けさせるようにしましょう。
親がネットパトロールを行う
子どもをインターネットによるいじめの被害者にさせないためには、親がネットパトロールを行うというのも対策方法の一つです。
ネットパトロールとは?
ネットパトロールとは、SNSやネット掲示板などを親が確認して、子どもが誹謗中傷やいじめの被害に遭っていないか確認していくこと。
その名の通りインターネットを親がパトロールする作業なのですが、ネットパトロールを行うことでインターネットいじめの早期発見・早期解決に繋がる場合があります。インターネットによるいじめは、TwitterやInstagramなどのSNSで発生しやすい傾向があります。
以下は、警察庁生活安全局少年課が発表したSNSトラブルが発生しやすいサイトの統計です。
出典:警察庁生活安全局少年課
上記のグラフからは、ほとんどのネットトラブルはTwitterで起きているということが分かります。Twitterは投稿を拡散することが出来る「リツイート」という機能があるので、情報が拡散されるスピードが早いという特徴があります。
例えば、フォロワーが100人のA君が「B君は万引き犯だ!懲らしめよう!」というデマの投稿をしたとしましょう。その場合、その投稿が100人に見られます。その投稿を見たフォロワーC君がリツイートした場合は、さらに100人に見られてしまいます。
この時点で「B君は万引き犯だ!懲らしめよう」というデマ情報が200人の人に見られています。単純計算ですが、フォロワーが100人いる誰かに毎日リツイートされた場合は1ヶ月で3,000人に「B君は万引き犯だ」というデマ情報が見られてしまいます。
そして半分の1500人が「B君を懲らしめてやる」と思った場合、B君は1,500人からいじめられてしまうことになってしまいます。デマ情報が拡散されてしまい、不特定多数の人からいじめられる場合があるというのがインターネットによるいじめの怖さです。
しかし、ネットパトロールを行うことでこのようになるのを事前に防げる場合があります。アナログ的な対策方法で少々面倒かもしれませんが、子どものSNSアカウントを定期的に親が覗くようにしましょう。
実際に発生したインターネットいじめの実例
ここでは、インターネットによるいじめの実例について具体的に説明していきます。過去に発生したインターネットいじめを参考にして、同じような被害者にならないよう対策して行きましょう。
実際に発生したいじめの実例
高校の友人から「死ね、殺す、デブ」というような誹謗中傷のメールが複数回送られてきたAさん。誹謗中傷のメールが複数回送られてきたことでストレスを抱えたAさんは、次第に体調が優れなくなっていきます。
被害者のAさんは、いじめられていることを親には相談しませんでしたが、Aさんの変化に気が付いた親御さんはAさんのスマートフォンを確認します。Aさんのスマートフォンを確認したことで初めて、Aさんがいじめられているということが判明しました。
Aさんが通っている学校に親御さんが連絡したことで、学校も始めて今回のいじめを把握します。
今回は、メールを使ったインターネットいじめの実例を紹介しました。もしも、同じようないじめに遭った場合はそのメールを削除せず、保存しておきましょう。誹謗中傷のメールが複数回送られてきたという決定的な証拠があることで、有利に動くことが出来ます。
インターネットによるいじめの被害者にならないために行いたい対策方法まとめ
この記事では、インターネットによるいじめの被害者にならないために行いたい対策方法について具体的にまとめました。もう一度おさらいすると、インターネットによるいじめの被害者にならないために行いたい対策方法は以下の通りです。
まとめ
- インターネットの怖さを子どもに理解させる
- インターネット特有のコミュニケーション能力を付けさせる
- 親がネットパトロールを行う
インターネットによるいじめの発生件数は年々増加傾向にあります。しかし、インターネットに関する正しい知識を身に付けさせることでいじめの被害者になるのを未然に防げる場合があります。現在の子どもとインターネットは、切っても切り離せない関係になっているので正しい知識を伝えていきましょう。