堀ちえみさんや川崎希さんに対して誹謗中傷し、2人の主婦が逮捕されたという事件がありました。2人の主婦は脅迫容疑や侮辱容疑で逮捕されたと言われています。
このような事件があったのですが、詳しく知らない方は「どのような事件だったのか知りたい」と思っている人も多いのではないでしょうか?
そのような方のために、この記事では主婦が逮捕された事件の概要から罪の内容、そしてどのように特定したのかということについて具体的にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
誹謗中傷により主婦が逮捕された事件の概要
ここでは、2人の主婦が誹謗中傷によって逮捕されてしまった事件の概要について具体的に説明していきます。
50代の主婦が脅迫容疑で逮捕された事件
タレントとして活動している堀ちえみさんのブログに、誹謗中傷の言葉を複数回書き込んだとして、北海道に住む50代の主婦が2019年6月18日に脅迫容疑で警視庁から書類送検されました。
具体的には、以下のような誹謗中傷をしていたとされています。
堀ちえみのブログに書き込んだ誹謗中傷
- 死ね
- 消えろ
- 馬鹿みたい
- 死ねば良かったのに
上記のような誹謗中傷を、堀ちえみさんが舌がんの手術を受けた前日や手術後に書き込んだと言われています。このような誹謗中傷が何度も送られてくる堀ちえみさんは、警視庁に被害届を提出しました。
その後、誹謗中傷した主婦は特定されてしまうのですが、「殺すとは書いていない。死ねでも脅迫になるんですか。みんな書いてるじゃないですか」と反論し、反省の色は見えなかったと言われています。
50代の主婦によると、堀ちえみさんを誹謗中傷した動機は、「あんな元気な舌がん患者はいないというネット掲示板に感化され、堀ちえみさんを叩いている人が多く自分も何となく叩いた」だったそうです。
今回の事件を経て、堀ちえみさんは取材で「ネットの書き込みで深く傷つく人がいることを知ってほしい」ということを語っていました。
30代の主婦が侮辱容疑で逮捕された事件
タレントとして活動している川崎希さんに対して、誹謗中傷の書き込みをネット掲示板で行ったとされ、山形県に住んでいる30代の主婦と大阪に住んでいる医療事務員の女が侮辱容疑で東京地検に書類送検されました。
具体的には、以下のような誹謗中傷をしていたとされています。
川崎希さんに対しての誹謗中傷
- 気持ち悪い
- 無銭飲食をしていた
- 窃盗していた
- 妊娠してると嘘つくな
- 流産しろ
- 自宅に着払いで荷物を送ろう
- 放火のチャンス
このような誹謗中傷が何度も送られてきた川崎希さんは、匿名掲示板「ママスタジアム」に対して誹謗中傷に関する法的措置をとったと公表しました。
法的措置をとった結果、川崎希さんの主張が認められ、誹謗中傷やプライバシー侵害してきた人たちの個人情報を匿名掲示板のママスタジアムから開示してもらうことに成功します。
このような行動は、数多くのメディアに取り上げられることになり、川崎希さんは「たくさんの応援メッセージをいただいて感謝しています。本当にありがとうございます」と感謝の言葉を述べていました。
その後川崎希さんは、加害者を民事及び刑事で訴え、30代主婦と40代の女が書類送検されることになります。
書類送検を受けて川崎希さんは、「匿名で書き込みをされてすごく不安でした。誰が書いたか特定され、警察に対応していただいて良かったです」というコメントを自身のブログで述べられていました。
逮捕の決め手の1つとなった脅迫と侮辱とは
堀ちえみさんの事件では脅迫容疑で主婦が逮捕され、川崎希さんの事件では侮辱容疑で主婦が逮捕されました。
ここでは、逮捕の決め手の1つとなった脅迫と侮辱について具体的に説明していきます。
脅迫とは
堀ちえみさんの事件では、主婦が脅迫容疑で逮捕されました。脅迫とは以下のような意味を持ちます。
脅迫とは?
脅迫とは、被害者や被害者の親族の生命、身体、自由、名誉、財産に対して害悪を加えることを告知して脅すこと。
脅迫でポイントとなってくるのは「害悪の告知」というところです。
法律上、告知の方法は定められていません。つまり、直接口頭で脅迫したという場合でも「告知」が成り立ちますし、手紙やメールで脅迫したとしても「告知」が成り立ちます。
インターネット上で相手が恐れおののくような投稿をしたとしても「告知」が成立します。さらに言えば、被害者に対して直接脅迫したものでなかったとしても脅迫が成立してしまうこともあるのです。
例えば、以下の通りです。
脅迫が成立する具体例
- 「Aさんの家を爆破してやる」とネット掲示板に書き込んだ
- 「Aさんの親をぼこぼこにしてやる」とSNSに書き込んだ
- 「Aが仕事できない体にしてやる」とブログに書き込んだ
脅迫罪が成立した場合は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金が科される場合があります。
侮辱とは
川崎希さんの事件では、主婦が侮辱容疑で逮捕されました。侮辱とは以下のような意味を持ちます。
侮辱とは?
侮辱とは、事実を摘示していなくても公然と人を侮辱すること。
侮辱でポイントとなってくるのは「事実を摘示していなくても」というところです。ここで使われる「事実」とは、本当か嘘かは別にして、具体的な情報であるかという意味を持っています。
さらに具体的に言うと、白か黒かを判断できる情報かということです。例えば「万引きをした」という事実に関しては、お店の防犯カメラや商品の数を調べれば、白か黒かはっきりします。
この場合は「事実を摘示している」とみなされます。しかし、川崎希さんの事件でもあったように「気持ち悪い」という事実に関しては、白か黒かはっきりすることは出来ません。
なぜなら、「気持ち悪い」という基準がないからです。
仮に「目が〇cm離れている人は気持ち悪い」「髪の毛が〇本以下の人は気持ち悪い」という明確な基準が定められていれば、白か黒かはっきり出来ますが、現状「気持ち悪い」の基準は定められていません。
このように白か黒かはっきりさせられないことを「事実を摘示していない」というのです。
侮辱罪が成立した場合は、1日以上30日未満の間、刑事施設に拘置される「拘留」、又は1,000円以上10,000円未満の制裁金を納付する必要がある「科料」が科されることがあります。
タレントの2人は誹謗中傷した主婦をどのように特定したのか?
堀ちえみさんと川崎希さんは、「発信者情報開示請求」という手続きを行い、誹謗中傷していた主婦を特定したと考えられます。
発信者情報開示請求とは?
発信者情報開示請求とは、誹謗中傷した加害者の氏名や住所といった個人情報を特定するための制度。
実は、このような制度を利用することで匿名の人物さえも特定することが出来てしまいます。
このような制度を利用するのは面倒な気もしますが、弁護士に依頼することでほとんどの作業を弁護士が代行してくれます。
弁護士がほとんどの作業を代行してくれるため、個人であっても弁護士に相談さえすれば、誹謗中傷した加害者を特定することが可能です。
簡潔に誹謗中傷発見から加害者特定までの手順を紹介していきます。
誹謗中傷発見~加害者特定までの手順
- 誹謗中傷発見
- 証拠を集める
- 弁護士に相談する
- IPアドレスとタイムスタンプを特定していく
- 加害者が利用したプロバイダを特定していく
- プロバイダに対して記録の削除禁止依頼を出す
- プロバイダに対して裁判を起こす
- 加害者を特定
2人の主婦が誹謗中傷で逮捕された事件の解説まとめ
この記事では、2人の主婦が誹謗中傷で逮捕された事件の解説を具体的に行ってきました。もう一度おさらいすると、2人の主婦は以下のような容疑で逮捕されています。
まとめ
- 堀ちえみさんに対して誹謗中傷した主婦は、脅迫容疑で逮捕
- 川崎希さんに対して誹謗中傷した主婦は、侮辱容疑で逮捕
今回は請求されませんでしたが、場合によっては400万円以上の慰謝料を請求されることもあります。何気ない発言が、逮捕されるほどの事件に発展する可能性もありますので、皆さまも気を付けていきましょう。