インターネットの発達により、個人ブログや2ch(にちゃんねる)のようなサイトに悪評を書かれてしまうケースが増えてきました。
いまやインターネットは私たちの日常生活には欠かせないものとなっているため、インターネット上にこのようなネガティブな記事が存在していると、そのような記事が多くの人の目に触れてしまう可能性が高いです。
誹謗中傷が原因で被害者の中には精神的苦痛から自殺や自殺未遂に追い込まれる人も年々増加しています。2019年11月24日に韓国のアイドルグループKARAの元メンバー、ク・ハラさんも誹謗中傷やリベンジポルノが要因となって自殺されたと言われています。
インターネット上の誹謗中傷の怖いところは「一度広まると消すのが難しい」という風評被害の特徴にあります。一度広まってしまった悪評を消すには莫大な時間と労力を必要としますし、完全に消すことは不可能に近いほどに困難になります。
こういった事態を防ぐために、ネットで誹謗中傷を受けている方の多くが逆SEOを行なおうと考えている人も多いようです。逆SEOを行なっていくにあたり、世の中には様々な方法が存在していますがその中には違法になってしまう可能性があるものも存在しているのが事実です。
この記事では違法になってしまうブラックな逆SEO、真っ当なホワイトな方法の逆SEOについてまとめましたので是非参考にして下さい。
もくじ
逆SEOとは
逆SEOとは『ネットで誹謗中傷をしている記事の検索順位を下げる対策のこと』を指します。
本来SEOは特定のキーワードで検索順位を上げるために行なわれる施策ですが、逆SEOはそれとは全く逆の対策になります。
検索エンジンに上位表示されている記事は多くのユーザーの目に触れるため、検索順位を下げることでネガティブ記事をユーザーの目につかないようにしたいと思うのは当然のことです。そのような記事の検索順順位を下げるために現在では様々な逆SEO対策が実施されています。
真っ当な逆SEOや違法になる可能性が高い逆SEOも存在するのでそれぞれの方法を確認していきましょう。
違法になってしまう逆SEO
違法になってしまう逆SEOは主にGoogleからペナルティを受けてしまうような方法になります。Googleからペナルティを受けてしまう逆SEOの方法はいくつかあるので以下にまとめていきます。
①コピーサイトの作成
1つ目の逆SEO対策の方法はコピーサイトを作成する逆SEOになります。
Googleはインターネット上に重複したようなコンテンツが揃うことを嫌っています。なので誹謗中傷しているAというサイトの文章をそのままコピーして、自分がBという別のサイトで記事をアップすればインターネット上に同じ記事が2つ存在することになり、Googleが嫌っている重複サイトが誕生します。
こういったコピーサイトの作成は著作権違反に値する行為なのでGoogleに報告されれば削除される可能性が高くなります。
基本的に後から作成するコピーサイトが先に公開している記事に勝つことはできないので、こういったコピーサイトの作成による逆SEOは控えましょう。Googleはコピーコンテンツをすぐに見抜きます。
②ペナルティを受けるリンクを送る
Googleは以前までは他のサイトに沢山リンクが紹介されているサイトを高評価していました。Aというサイトの記事がBというサイトやCというサイトで紹介されていれば、それだけ良質な記事だとGoogleが認識していたからです。
しかし、この仕組みを検索順位を上げるために悪用する業者が現れたため、現在ではこの行為はGoogleからペナルティを受ける対象としています。
例えば、Aというサイトの検索順位を上げるために複数のサイトを立ち上げ、それぞれのサイトにAのサイトのリンクを紹介することでAサイトのドメイン力を上げようとするような行為です。
他のサイトから本当に自然な形で紹介されているものであればGoogleからの評価は上がりますが、こういった行為はペナルティの対象になります。
これを逆に利用すると、複数のサイトを作成しそれぞれのサイトで誹謗中傷している記事のリンクを不正に数多く貼ることで、誹謗中傷している記事をペナルティの対象させることができます。
この方法もブラックな方法になるので絶対に避けましょう。
③相手サイトを「不正なサイト」として申請
相手のサイトをGoogleに不正なサイトとして排除申請をすることができます。本当に相手のサイトが不当なサイトであればGoogleに排除申請を出しても大丈夫ですが、ただ単に相手サイトの順位を下げたいだけであればこういった行為は容認されないので注意しましょう。
④相手のサイトにウイルスを送る
ウイルスに感染しているサイトの評価は下がります。なのでウイルスを仕込んだリンクを相手に送り、リンクを踏ませることで相手サイトの評価を下げることができます。
こちらの方法も倫理的にかなり問題がある方法なので逆SEO対策で行なうことは絶対にやってはいけません。
ここまで逆SEOで違法になりかねない方法を4つ紹介してきましたが、どの方法も倫理的に問題があり、法的にも責任が問われかねないので逆SEOを自分で行なう場合や業者に頼む場合は上記のような方法は絶対に行わないようにしましょう。
また、それらの方法を紹介される誹謗中傷対策を行っている会社には十分気をつけて依頼をしないようにしましょう。自社サイトをGoogleから評価を落とされるばかりか、更に悪化する恐れがあります。
逆SEOを行なう場合は上記のようなグレーな手法を使うのではなく正当な逆SEO対策を行なっていく必要があります。
正当方の逆SEO対策
ネット上で誹謗中傷されている記事をユーザーの目に触れないようにするためには正当方の逆SEO対策を行なっていく必要があります。ここからいくつかの正当な逆SEO対策についてまとめていくので是非参考にして下さい。
①Webサイトに記事を量産する
正当な逆SEO対策としては良質なコンテンツをインターネット上に量産することでネガティブ記事の順位を相対的に下げることが必要になってきます。
検索エンジンの1ページ目にAという内容を誹謗中傷しているサイトが表示されていた場合、Aに関する関する他の記事を量産し、検索エンジンで上位を取ることで相対的に誹謗中傷している記事の順位を押し下げることができます。
検索エンジンでの上位表示に成功すればそのコンテンツは多くのユーザーの目に触れることになるので企業などのPR材料としても役に立つことができます。逆SEO対策と認知度向上が期待できる方法になるので、記事の量産はかなり有効です。
②SNS・Youtubeを活用する
TwitterやインスタグラムなどのSNSでの発信やYoutubeの動画コンテンツなどを記事の量産と併用することで誹謗中傷記事を押し下げることができる速度が早まります。
最近ではインターネットで検索をした場合にTwitterやインスタグラム、Youtubeなどが検索上位に表示されていることも珍しくありません。こちらもサイト同様に日々更新をしていれば自社をRPすることができるコンテンツにもなるので、かなり有効な方法になります。
③ニュースリリースを利用する
企業がマスメディアに対して公開するニュースリリースも逆SEO対策に繋がります。ニュースリリースの魅力は短期的に大手メディアサイトリリース記事が載った場合に検索エンジンの上位表示が可能になるという点です。ニュースリリース配信代行会社を使えばほぼ確実にどこかのサイトに掲載することができます。
そのため、ニュースリリースは検索エンジンでも上位化されやすく自社の優良情報を発信し続けることで対象サイトの検索順位を下げることに繋がり、自社のPR活動も同時に行なうことができます。
記事の削除方法
Webサイトに記事を量産したり、SNSやYoutubeを検索エンジンで上位表示させることは逆SEOに繋がりますが欠点としてはその記事自体を消すことはできないという点です。逆SEOはあくまでも誹謗中傷サイトの検索順位を下げるために行なうものなので記事自体を削除することはできません。
なので、記事自体を削除したい場合は相手に対して様々な方法で記事削除の依頼をする必要があります。
①フォームから相手に削除申請を依頼する
誹謗中傷投稿がされたサイト上に「お問い合わせ」や「削除申請フォーム」などがあればそのフォームから相手に対して削除依頼を出すことができます。無事、送信されればそのサイトの管理者に申請内容が届き、サイト管理者の判断によって削除されるかどうかが決まります。
削除される可能性は低いですが、費用や労力が一番かからずに記事を消すことができる方法になるので、逆SEOを行なう前に一度試しておいた方がいい方法になります。
②プロバイダ責任制限法(送信防止措置依頼書)を使う
「送信防止措置依頼書」を相手に送り記事削除を依頼することができます。「送信防止措置依頼書」とは誹謗中傷などをしているサイトに対してその投稿を停止することをサイトの運営者に要求するための申請書です。
この方法は「プロバイダ責任制限法」という法律に基づいているので個人で相手に対して記事削除を依頼した場合でも効力を発揮することができます。費用がかかることなく相手に申請することができるので、名誉棄損やプライバシー侵害のような権利侵害を受けている場合はこの方法を実践してみて下さい。
③弁護士に記事削除を依頼する
こちらは弁護士による「任意の削除請求」になります。個人で削除申請をした場合、相手が応じないケースがありますが、弁護士を通すことで削除に応じるケースがあります。弁護士から策削除を依頼されれば相手も「法的に削除するべきなのだ」と認識し、記事削除に応じる可能性が高いです。
もし一度自分で削除依頼をしてみて駄目だった場合は弁護士に相談することで記事を削除することができるかもしれません。
④警察に相談する
被害が深刻な場合は警察に相談することもできます。刑法の名誉棄損罪や信用毀損罪などに該当すれば警察のサイバー犯罪相談窓口が動いてくれる可能性が高まります。人権被害であれば法務局が応じてくれることもあります。
⑤相手のサイトを「不正なサイト」としてGoogleに申請する
法律に違反しているサイトがインターネット上に存在している場合、Googleに対して法的な削除リクエストを送ることができます。
以下、Googleの削除ポリシーの内容になります。
Googleの削除ポリシーに従い、削除対象の可能性になるものは以下の7つになります。
参考
- アダルト コンテンツ: アダルト コンテンツを Google セーフサーチに報告します。アダルト コンテンツであることが明白であれば、Google 検索結果から除外されます。
- Google ポリシー違反: 「Google の削除ポリシー」についてのページで、Google がリクエストに基づいて検索結果から削除するコンテンツの種類をご確認いただけます。
- 法律違反: 適用される法律に基づいて、削除リクエストの審査を Google に依頼します。
- 著作権侵害: 所有する著作権を侵害しているコンテンツを見つけた場合は、DMCA 削除リクエストを送信できます。
引用:削除ポリシー
もし上記のようなインターネット上の誹謗中傷にお悩みであればGoogleに削除申請を出すことができるので参考にしてみて下さい。
逆SEOと記事削除のメリット・デメリット
ここまで様々な逆SEOの方法や記事削除の方法をお伝えしてきました。どちらの方法もネガティブ記事をユーザーから遠ざけるために有効な施策ですが、それぞれの方法にメリットデメリットがあります。
ここからは逆SEOと記事削除のメリットやデメリットについてまとめていきたいと思いますので参考にして下さい。
逆SEOのメリット・デメリット
メリット
・費用がほとんどかからない
・検索上位に表示できればその記事自体がPRの役割を果たす
WebサイトやSNSの更新にはほとんど費用はかからないため、定期的に更新し続けれられるのであればこちらの方法は有効です。
また企業の場合であれば逆SEOのために作成したサイトが検索上位に表示されることで認知度アップや採用PRにも繋がります。
デメリット
・記事自体を削除することはできない
・高度なSEOスキルが必要
・時間がかかる
デメリットとしては記事を削除することはできないという点です。検索順位を後半に押し下げ、ユーザーの目に届かないところに移動させるのが逆SEOなので、どうしても記事を削除したいと考えている方には逆SEOはおすすめできません。
また、逆SEOの場合は対象の記事を押し下げるために数か月の時間を要することがほとんどです。特にSEOに関する知識がない方が対策した場合は半年以上の時間がかかってしまう可能性もあります。
記事削除のメリット・デメリット
メリット
・記事が削除されるのでユーザーの目に触れることがなくなる
デメリット
・費用が高い
記事削除の一番のメリットは誹謗中傷記事を削除することができる点ですが、弁護士などを通すと高額な費用がかかってしまう点がデメリットです。
弁護士に依頼する場合は依頼料として数十万円以上の費用がかかることがあり、記事自体を削除することができない場合もあります。
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