今では、社会問題になりつつある子どものネットいじめ。平成21年から平成30年の間でネットいじめの被害件数は、約1.5倍になりました。このようにネットいじめの被害件数は急激に増加しているため、子どものことを心配している親御さんも多いと思います。
自分の子どもがネットいじめに巻き込まれないかという心配が絶えない中、「そもそもネットいじめに巻き込まれないようにするための対策方法はないのか?」という悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?
そのような方のために、この記事ではネットいじめに巻き込まれないようにするための対策方法について具体的にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
ネットいじめの被害に遭わないようにするための対策方法
ここでは、ネットいじめの被害に遭わないようにするための対策方法について具体的に説明していきます。
インターネットと上手く付き合っていく方法を教える
インターネットが普及してきたことで、子どもとインターネットは切っても切り離せない関係になりつつあります。切っても切り離せない関係になりつつあるので、子どもにインターネットを禁止させるのではなく、インターネットとうまく付き合っていく方法を教えるようにしましょう。
具体的には、以下のような知識を付けさせてみましょう。
子どもにつけさせたいインターネットの知識
- メッセージを送る場合や発言をする場合は、相手の気持ちを考える。
- 現実世界で禁止されている行為は、ネット世界でも禁止されている。
- 匿名で活動しても特定されることがある。
インターネットに繋いでいるスマートフォンやパソコンにフィルタリングをかける
インターネットに繋いでいるスマートフォンやパソコンにフィルタリングをかけるというのも、子どもをネットいじめから守る対策方法の一つです。
フィルタリングとは?
フィルタリングとは、有害なサイトや有害なキーワードが含まれているWebサイトへのアクセスを制限する機能のこと。
実は、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」で18歳未満の子どもが利用するスマートフォンやパソコンなどの機器には、フィルタリングをかける必要があるということが規定されています。
もちろん、強制という訳ではないので「フィルタリングはいらない」と保護者が判断した場合、この法律は適用されません。しかし、フィルタリングを掛けない場合は、親御さんが自力で子どもをネットいじめから守るための対策を行う必要があります。
自力で子どもをネットいじめから守る対策をすることが出来れば良いですが、現在は共働きの世帯も多いので、子どもの行動を一日監視することが出来るという家庭は少ないと考えられます。そのように子どもの行動を一日監視することは出来ないという家庭は、フィルタリングに頼りましょう。
現在は無料でフィルタリングを提供しているキャリアも多いので、そのようなサービスを積極的に活用していきましょう。
インターネットを使う時のルールを定める
インターネットを使う時のルールを定めるというのも、子どもをネットいじめから守る対策方法の一つです。
例えば、以下のようなルールを定めてみましょう。
定めたいルールの具体例
- インターネットを使う場合は、親がいる場所で使う。
- 夜〇時以降はインターネットを使わない。勉強中・食事中はインターネットを使わない。
- 学校や塾でインターネットを使う場合は、使う場所のルールに従う
- 人が嫌がる発言や人に迷惑をかける行動はしない
- インターネットで分からないことや迷うことがある場合は、必ず親に相談する
- ルールを破った場合は、一定期間インターネットの利用を禁止する
もちろん初めは、軽いルールから定めていっても構いません。このようにルールを定めることで、子どもも自然と「やっても良いこと」と「やってはいけないこと」を認識し始めるようになります。
親が定期的にネットパトロールを行う
アナログ的な対策方法ではありますが、親自身がネットパトロールをするというのも子どもをネットいじめから守る対策方法の一つです。
ネットパトロールとは?
ネットパトロールとは、SNSやネット掲示板などを親が確認して、子どもが誹謗中傷やいじめの被害に遭っていないか確認していくこと。
ネットパトロールを行うメリットは、ネットトラブルやネットいじめの早期発見・早期解決が見込めることです。現在の子どもは、LINEに加えてTwitterやInstagramなど様々なSNSを利用しているので、子どもからSNSアカウントを教えてもらい、そのアカウントに送られてきているメッセージを定期的に確認してみましょう。
SNSは会話のスピードや拡散するスピードが「速い」という特徴があります。会話のスピードや拡散するスピードが早いので、1日放置していただけでもネットいじめの被害は想像以上に拡大している場合もあります。
ネットパトロールを行うことで、ネットいじめの被害の拡大を早めに抑えることが出来るので、親御さんは定期的に子どものSNSアカウントを覗いてみましょう。
ネットいじめの被害に遭った場合の対処方法も考えておこう
ネットいじめの対策法を実践していたとしても、ネットいじめの被害に遭ってしまう場合もあります。ネットいじめの被害に遭ってから対処方法を考えても遅いので、予め「ネットいじめをされた場合の対処方法」についても考えておきましょう。
具体的には、以下のような対処方法が挙げられます。
ネットいじめの被害に遭った場合の対処方法
- ネットいじめをされたという証拠を保存しておく。
- 被害者の子どもが通っている学校に相談・連絡する。
- 子どもに「いじめ専門相談窓口」の存在を知らせておく。
- 悪質な書き込みをされた場合は、書き込みがされたサービスに対して投稿の削除依頼を出す。
- 対処を弁護士に相談・依頼する
様々な対処方法がありますが、特におすすめしたい対処方法は「被害者の子どもが通っている学校に相談・連絡する」ことです。子どものネットいじめは「加害者が分かりやすい」という特徴があります。過去の事例を見る限り、ほとんどの場合は同じクラスや同じ学年の誰かが加害者です。
逆に、同じクラスや同じ学校以外の人が加害者だったという事例は稀です。この場合、弁護士や警察など他の機関に相談するよりも、子どもの学校生活や人間関係を詳しく知っている学校に相談した方が素早い解決が見込めます。
子どもにいじめ専門相談窓口の存在を知らせておこう
先ほど、対処方法の一つとして「子どもにいじめ専門相談窓口の存在を知らせておく」ということをお伝えしましたが、「そもそもどこがいじめ専門相談窓口なのか分からない」という人も多いかと思います。そのような方のために、ここではネットいじめをされた場合に相談したいいじめ専門相談窓口を紹介してきます。
基本的には、以下のようないじめ専門相談窓口が存在します。
中学生や高校生など、子どもが思春期に入ると「いじめられていることを親に相談するのは恥ずかしい」と思う子どもも存在します。だからといってネットいじめを放置しておく訳にはいかないので、「ネットいじめをされた場合はここに相談してね」ということをしっかり伝えておきましょう。
ネットいじめの被害に遭わないようにするための対策方法まとめ
この記事では、ネットいじめの被害に遭わないようにするための対策方法について具体的にまとめました。もう一度おさらいすると、ネットいじめの被害に遭わないようにするための対策方法は以下の通りです。
まとめ
- インターネットと上手く付き合っていく方法を教える
- インターネットに繋いでいるスマートフォンやパソコンにフィルタリングをかける
- インターネットを使う時の家庭ルールを定める
- 親が定期的にネットパトロールを行う
子どものネットいじめは親が知らないところで起こっているものです。親が気づかないうちにネットいじめの被害が拡大していることもあるので、定期的に子どもの様子やSNSアカウントなどを確認するようにしましょう。